先日、市内の緑地でちょっと嬉しい出会いがありました。

ミゾゴイ
ミゾゴイという野鳥です。写真の個体は羽色から、若い個体と思われます。環境省のレッドリスト(絶滅の恐れのある野生動植物のリスト)では絶滅危惧Ⅱ類に区分されていますが、ここ数年、市内では目にする機会が増えました。じつを言うと、博物館お隣の樹林地内に設置したセンサーカメラにも年に何度か映ります(実際に目視したことはまだありません)。

正面から ポーズをとっているようにも見えます
もともと人目につきにくい山地の沢筋などに生息していましたが、なぜ近年になって都市部の緑地でも見られるようになったのかはわかりません。これが一時的なものなのか、しばらく分布拡大傾向が続くのかわかりませんが、興味深い現象です。
ミゾゴイは、動きがおっとりとしていて、茂みに隠れて過ごしている時もあれば、上の写真のように堂々と人前に出て、しかも至近距離まで近づいてくることがあります。慎重なのか、度胸があるのかよくわかりません。
いずれにしても、ちょこまか動き回る野鳥が多い中で、ゆっくり歩く姿はちょっと哲学的な雰囲気もあって見ていて飽きません。
(生物担当学芸員)


