アリでもなく、昆虫ですらなく

猛暑の中、つる植物のクズは旺盛な生命力を見せつけてるようにつるを伸ばし、葉を広げています。花も咲き出しています。

クズの花

花の写真を撮影していると、葉の裏で小さな黒いものが動いています。

くわえているのは、カゲロウ類のようです

カゲロウの仲間を捕まえたアリに見えますが・・いやいや、騙されてはいけません。ふと顔を上げたところの写真をアップすると・・

この顔は・・

この顔はまぎれもなく、ハエトリグモの仲間です。その名も、アリグモ。2枚目の写真では昆虫の鉄則である6本脚にみえるのですが、触覚のように見えているのは一番前の1対の脚で、実際にまるで触覚のように動かしながら歩き回ります(3枚目の写真では顔を上げたので脚であることがバレています)。それにしても、名実ともに見事なアリへの擬態です。
擬態と言えば、近くにヨツスジトラカミキリもとまっていました。

ヨツスジトラカミキリ

こちらは見てのとおり、ハチ(アシナガバチ)への擬態です。この擬態は人間に対してとても効果的です。というのも、観察会などでヨツスジトラカミキリが出現すると、まず間違いなく参加者のみなさんが怖がって後ずさりします。優れた擬態の証拠ですが、本当の目的は天敵からの防御のはずですね。
(博物館長・学芸員)

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