オス?メス?

先日、カイコの授業に行った田名北小の生徒さんから質問が来ました。
「ボクが育てているカイコはオスですか?メスですか?」
恐れていた質問です。じつは、カイコの幼虫期の雌雄の見分け方はとても難しい。終齢になるとだいぶ見やすくなりますが、はっきりしない個体も多くてとてわかりにくいのです。
いちおう、見分け方は最尾部の腹側を見ることになっています。下の写真はオスです。

こちらがメス。尾脚の形は閉じているか開いているかの違いで雌雄とは関係ありません。

さっぱりわかりませんね。識別点に矢印を入れてみました。こちらがオスです。真ん中のくぼみの奥に腺が見えます。

こちらがメスです。くぼみには腺がなくて、そのまわりに4つの腺があります。

どちらの腺もはっきり見えない個体がいて、迷います。蛹になると同じ部分の模様で比較的わかりやすいのですが、蛹は繭の中です。羽化させて採卵する場合は繭を開いて確かめておきますが・・。
さらに言うと、カイコに尾部の腹側を見せてもらうのも至難の業です。そもそもこういう姿勢をとてもいやがるので、じっくり観察できません。接写機能の優れたデジタルカメラが出てきて、だいぶわかりやすくなりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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