鳥の羽根展に向けて5/9 相模原になじみの羽根

今日は休館日ということで、じっくり落ち着いて作業を進められるかなと出勤してみると・・非常用放送設備の点検とメンテナンスのために館内は断続的に非常ベルや放送が鳴り響いていました。でも、これは公共建築物として絶対にやらなくてはいけない保守作業の一つです。こんな日に仕事をしようというほうがいけませんね。
さて、今日は生活資料収蔵庫からこんな資料を出してきて展示物としてのチェックをしました。

大きな羽根4本をまとめて柄がついています。一見して羽箒(はぼうき)ですが、茶の湯や盆石のものと比べると異様に大きいです。

この羽箒は、養蚕道具です。養蚕が盛んだった相模原で、羽根展をやるのにこれは外したくない資料です。
どのように使うのかと言うと、ふ化したばかりの毛蚕(けご=1齢幼虫)を蚕座へ移して給桑を開始する時に、微細な毛蚕を痛めないように動かすのに使います。

大きさが2.5ミリメートルほどしかない毛蚕を扱うには、羽根の繊細さがちょうどよかったのでしょう。
毛蚕はふ化したそばから給桑してしまうと成長に大きなばらつきが生じるため、概ね出そろうまで給桑しません。このため、出そろったところで毛蚕を蚕座へ移して一斉に飼育を開始するのですが、これを「掃き立て」と呼びます。
この大きな羽根がなんの鳥の羽根かをちゃんと調べて相模原ならではの鳥の羽根の展示をつくりたいと考えています。
(生物担当学芸員 秋山)

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