陰影の濃い季節

秋もすっかり深まり、冬型の気圧配置におおわれた今日(11月9日)は快晴のお天気に恵まれました。この時期フィールドへ出ると、陰影の濃さにハッとさせられることがあります。木々などにまだ鮮やかな色が残っているのに、太陽がだいぶ傾いてきているからでしょうか。
相模原植物調査会のみなさんと『神奈川県植物誌』に向けた恒例の標本採集調査へ出かけてきました。緑区和田峠近くの登山道沿いで実っていたマルバノホロシの果実です。

さらに、暗いスギ植林内のわずかなギャップで輝いていたコシアブラです。

絶滅危惧種の生息状況を確認しておこうと別の林道へも行ったのですが、スギの隙間から見えた富士山はすっかり雪化粧をしていました。

この時期の日だまりによく似合うキクタニギクは満開でした。

林道から見上げたヌルデの紅葉と青空のコントラストが強烈でした。

新しい『神奈川県植物誌』へ向けた調査も大詰めです。今日も調査会のみなさんと、チェックリストを確認しながら植物を採集して回りました。

林道の日だまりに冬眠前のヘビが日向ぼっこしていないかと探したのですが、見当たらずとても残念でした。もうさすがに落ち葉の下でじっとしているのでしょうか。風の冷たさにも秋の終わりが感じられ、雪がつく前にやっておくべきことは??と考えながら登山道を下りてきました。
(生物担当学芸員 秋山)

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