ヤマユリ開花

博物館の前庭で今、ヤマユリが開花しています。今年は花が少ないのでちょっと目立たないのですが、それでも15センチ以上もある大きな花は圧巻です。

博物館前庭のヤマユリの花

ところで、博物館のように平らなところで咲いていると花が大きすぎて茎が支えきれず、地面に倒れてしまいそうに見えます。神奈川県の花にも指定される在来の自生種なのに、どうしてこんなにバランスが悪いのでしょう。でも、その疑問は本来の生育地でこの花を見ると答えがわかります。下の写真は、緑区の丹沢山麓の登山道脇で咲いていたものです。

自生地での本来のヤマユリの様子

山の斜面や沢沿いの傾斜地で、下に向けて垂れるように伸びるのが、ヤマユリ本来の伸び方なのです。重力に逆らわずに垂れながら伸びて、大きな花を咲かせるのなら、不自然ではありません。
ところで、ヤマユリの写真を撮影していると、近くにこんな葉と茎が元気よく伸びていました。

葉を伸ばすシンテッポウユリ

シンテッポウユリです。こちらは近年分布を急速に拡大している外来植物で、在来の生態系への悪影響が懸念されている種なので、思い切りよく根こそぎ抜き取りました。
花は真夏に咲いて、見た目も立派なテッポウユリの仲間なのですが・・

真夏に咲くシンテッポウユリの花

高速道路の法面などで大繁殖しているのが確認されるほか、博物館周辺でも庭先で咲いているのがよく見られます。しかし、これを放置して咲かせてしまうと、周辺へ大々的に拡がってしまう可能性があるのでお気を付け下さい。

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