シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介⑦ ㋣

灯篭(とうろう)ながし 亡き人偲ぶ 小倉橋

小倉橋は、緑区久保沢と小倉を結ぶ橋で、1938(昭和13)年に完成し、その優美なアーチから、「かながわの橋100選」・「かながわの景勝50選」に選ばれています。2004(平成16)年には少し上流に「新小倉橋」が完成し、かるたの絵札及び次の写真のとおり、新旧アーチ橋の競演となっています(写真1)。

橋附近は、古くは「小倉の渡し」と呼ばれる渡船場があり、愛甲郡と八王子方面を結ぶ交通の要衝で、出水時には交通が途絶するため、橋を架けることが課題になっていました。ようやく、1926(大正15・昭和元)年に木製の橋が完成(写真2)しました(竣工は翌1927年1月)が、やはり洪水などで流失する被害を受けたため、永久橋の架橋が必要とされます。

津久井郡農業協同組合「写真集 山河幾星霜」より

こうして1936(昭和11)年秋から、コンクリ―ト製アーチ橋としての小倉橋の工事が始まり(写真3)、1938(昭和13)年7月に完成し、開通式が行われました。開通式には、作家加藤武雄家の三代の夫妻による渡り初めが行われたといいます。

「城山町史7 通史編 近現代」口絵より

1979(昭和54)年に「かながわの景勝50選」に、1986(昭和61)年に「相模川八景」に、1991(平成3年)年に「かながわの橋100選」に得ればれる中、地元自治会・観光協会・商工会等が中心となり、小倉花火大会と同時に実施されていた「灯ろう流し」を、2000(平成12)年に30年振りに復活しました。現在、「小倉橋灯ろう流し」はお盆の8月16日に行われ、今年は21回目になります。1988(昭和63)年の小倉橋架設50周年を契機に開始されたライトアップ事業とも相まって、「小倉橋フォトコンテスト」も開催されています。

 今年は、新型コロナウィルス流行の影響で、実施は難しいですが、開催される際には、ライトアップの光の中で行われる、幻想的な灯ろう流しを、ぜひご覧ください。
また、小倉橋周辺は、アユ釣りでも有名で、6月1日の解禁日には多くの太公望でにぎわいます。さらに夏休み中は小倉スポーツ広場のプール(こだまプール)も楽しいです。
なお、小倉橋は、2015(平成27)年には、市登録有形文化財(建造物)にも登録されています。

小倉橋の場所はこちらです。  https://goo.gl/maps/UPUzXx6g8fjbSzVa7

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館にて貸出し可能です(博物館は6/9より一部開館していますが、貸出しは当面休止中です。)
*貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください(042-750-8030)
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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