シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」で見る名所紹介㉛ け

憲政の父咢堂 津久井の 又野に生誕し

(けんせいのちちがくどう つくいの またのにせいたんし)

読み札の「咢堂」とは明治から昭和に活躍した政治家である尾崎行雄のことで、咢堂は文筆活動を行う際の雅号(がごう)です。

尾崎行雄は1858(安政5)年に現在の緑区又野に生まれました。1874(明治7)年、福沢諭吉の慶應義塾に入塾し、その後、新聞社や欧米で議会政治について学びます。

1880(明治23)年の第一回衆議院議員総選挙では当選し、以後63年にわたり25回連続当選を果たします。これは世界記録となっています。1903(明治36)年には第3代の東京市長となり、下水工事、街路樹栽培など数多くの政策に尽力しました。1912(明治45)年には東京市長を辞任し、犬養毅と憲政擁護運動を行い、1914(大正3)年には大隈内閣の下で司法大臣を務めました。尾崎は生涯の中で政党政治の実現にむけ大変な努力をし、また普通選挙や不戦(2つのフセン)を唱えました。

東京市長時代の尾崎

アメリカのワシントンにあるポトマック湖畔の桜は、1912(明治45)年に尾崎が日米友好の証として贈ったものです。これは当時のアメリカ大統領夫人がワシントンに日本の桜を植えたいと希望したことを、当時の東京市長であった尾崎行雄が知り、荒川堤の桜の苗木を送りました。

近年においても桜の活動が見られ、2019年3月には地元の有志団体である「尾崎行雄を全国に発信する会」がこの桜の孫の代にあたる苗木をアメリカへ送っています。

現在、生誕地の又野には絵札にも描かれている尾崎咢堂記念館があります。(https://sagamiharacitymuseum.jp/ozakigakudoukinenkan/)

尾崎咢堂記念館 外観

館内には尾崎の生涯と数々の業績を記した資料が展示されています。「議会政治の父」、あるいは「憲政の神様」と国民に慕われた尾崎行雄。郷土の偉人としてその足跡を辿ってみてはいかがでしょうか。

・このかるたは、当館のボランティア市民学芸員が2017年に制作したものです。
・このかるたは、博物館にて貸出し可能です(現在は当面の間、貸出しを休止しております)。
・尾崎咢堂記念館は現在、休館中です。開館予定は相模原市立博物館ホームページにてお知らせいたします。
・貸出しの詳細やその他このかるたに関心のある方は、博物館までお問い合わせください。(042-750-8030)
・貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒などを必ず行ってください。

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