尾角の意味を考える

7月29日、市内のある公園で、何かを重そうにくわえて飛んでいた鳥が、それを地面にボタッと落としました。

大きなイモムシを運びあぐねるシジュウカラ

鳥は、今年生まれの若いシジュウカラ。落としたのは、スズメガの仲間の幼虫(イモムシ)でした。スズメガは大型の蛾で、イモムシも特大サイズです。さすがに重すぎたようで、2回ほどくわえなおして飛ぼうとするのですが、またあっけなく落としてしまいます。

くわえ直そうとしますが・・

そのうち人がそばを通って諦めてしまったのですが、くわえなおそうとしたところの写真を拡大すると・・

イモムシの尾角をくわえています

尾角(びかく)と呼ばれる、イモムシの一番後ろの節の背中側に細く突き出た部分をくわえようとしています。尾角は多くのイモムシについていて、例えばカイコにもありますが、いまひとつ、その役割がわかりませんでした。

カイコの尾角

身を守る何かだろうとは想像していたのですが、こんなもので身を守れるのか?という疑問が残ります。でも、このシジュウカラとスズメガのイモムシの様子を見て、こんなところをくわえたって落とすのはあたりまえだろうと思いました。ということは、あえて細い突起をくわえさせて、体をくねらせた拍子に落としてしまうのを狙っているのか・・
軽く胴体をくわえられるくらい大きな鳥にはまったく効果が無いため、その推測は満点ではないけれど、正解の一つなのではないかと思える観察となりました。

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