オシドリの銀杏羽

先月、水鳥の調査の様子をこのブログで紹介しました。1月17日にも、同じダム湖で調査を行いました。今回もオシドリがたくさんカウントされ、美しい姿に惚れ惚れしながら調査をしました。

オシドリのメス(左)とオス(右)

オシドリは、特にオスが冬にきらびやかな姿になり、どの部分を見ても美しいのですが、特に際立つのは銀杏羽(いちょうばね)と呼ばれる羽です。

オスの背中の両側に大きな美しい銀杏羽が立っています。

この羽は翼についている羽の一つです。飛ぶために一番重要な役割を果たす風切羽(かざきりばね:翼の外縁に一列に並んで伸びる大きな羽)の中で、一番付け根近くにある三列風切(さんれつかざきり)の1枚です。風切羽は、人間で言うと腕の部分と直接つながっています。翼をたたんでいる状態では、扇子をたたむようにきれいに収まるので、通常は風切羽が飛び出ることはありません。しかし、オシドリのオスはとまっている時、このように銀杏羽をわざわざ目立つように上に立てて、メスへアピールします。
ただ、飛ぶ時にも出っぱってしまうと、風圧を受けて邪魔になります。オシドリのオスが飛ぶ時、銀杏羽はどうなっているかというと・・

飛ぶオシドリのオス 赤い点線内が銀杏羽

他の風切羽と平面上にしっかりと並び、三列風切として機能していました!
さらに、ナポレオンハットのような形の大きな頭も、頭の羽を立てて膨らませているだけで、飛ぶ時はきれいに寝かせてしっかりと流線形になっています。
美しさと機能をしっかり両立させている姿を見ると、オシドリの魅力をいっそう強く感じてしまいます。

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