NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」関連ミニ展示の紹介①

1月から始まったNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の関連事業として、当館でも1/15よりミニ展示「鎌倉時代初めの相模原の武士団 横山党」を開催中です。

ミニ展示全体

このミニ展示では、鎌倉時代初めに相模原市域に勢力を持っていた武士団横山党と、大河ドラマの13人のひとりで横山党とも関係の深い和田義盛(わだよしもり)という武将の市内の伝承地などを紹介するともに、伝承が記された明治期の地誌資料を展示しています。

和田義盛と横山党コーナーと関連資料展示

今回から3回にわたりミニ展示の解説と、ミニ展示では紹介できなかったことなども交えて各回掲載していきます。まず、今回は横山党について紹介します。

横山党とはコーナー…残念ながら相模原の横山が本拠ではありません

横山党はもとは中央貴族の小野氏(遣隋使の小野妹子や、この世とあの世を行き来できたとされる小野篁などがいる)の末裔で、10世紀頃に武蔵国(むさしのくに)に移り、八王子周辺を本拠とし、進出した土地の名である横山を名乗ったとされる武士団です。

横山党本拠と伝わる八王子市元横山町の八幡八雲神社内にある横山神社

その後、11世紀半ばに源頼義に従い奥州安倍氏を攻めた前九年の役などに活躍し、さらに勢力を広げ(現東京都内のほか埼玉、神奈川、山梨の各県内に一族が分布)、相模原市域にも進出します。そして、進出した土地を名字とし、粟飯原氏、藍原氏(現在の相原周辺)、小山氏、田名氏、矢部氏、小倉氏などを名乗ります。

横山党系図(相模原市中学生社会科副読本『私たちの相模原』より)

ミニ展示では、藍原氏、田名氏、小倉氏、矢部氏の館跡伝承地を写真パネルで紹介しています。

田名氏館跡伝承地の大杉の池。大杉の池は八瀬川の水源の一つ。

特に、矢部氏館跡伝承地周辺は、土塁(館の防御施設)、板碑(中世の供養塔)、館の鬼門(北東)に建つとされる上矢部御嶽神社のほか、発掘調査などで堀も確認され、多くの痕跡があります。

上矢部土塁(奥)と説明版

ミニ展示内では、各伝承地の詳細位置図も展示していますので、ぜひご確認ください。

本ミニ展示は3/13まで開催予定です。次回は、13人の一人「和田義盛」と横山党の関係について紹介します。

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