「写真で見る相模原~昭和・平成の生活と民俗~」(No99 博物館の活動)

前回のブログでは、中央区田名にお住まいだった大谷タケさんによる糸取りや機織りとともに、大谷さんに博物館で実演していただいた際の様子を取り上げましたが、博物館では日々の資料の収集や調査はもちろん、多くの市民の皆様のご理解やご協力を得てさまざまな事業を行ってきました。今回は、そうしたものを撮影した写真を紹介します。

最初の写真は、やはり大谷さんにお願いした平成10年[1998]7月実施の「糸取り・機織り実演会」で、この年から希望者に、糸取りや簡単な機織りの体験をしていただくことも内容に加えました。一枚目では子どもが座繰り(ざくり)機での糸取りを体験しています。二枚目は、実際に機織り機に糸をセットするまでの作業として、仮筬通し(かりおさどおし)について、参加者が熱心に説明を聞いています。                                

 

ブログNo.18でも取り上げたように、酒まんじゅうは相模原の夏場のごちそうとして、祭りやお盆に各家でたくさん作られました。こうした地域の文化に触れることを目的に、平成9~13年度に「酒まんじゅう作り教室」を行いました。

写真は平成10年[1998]8月の撮影で、講師にお願いした女性が粉をこねる様子を見る参加者と、蒸かし上がった酒まんじゅうをすぐに団扇(うちわ)であおぎ、冷まして表面に照りを出しているところです。事前申込制でしたが、毎回定員を大きく超える申し込みがある人気の教室でした。                                

 

次の写真は、平成7年[1995]11月の博物館開館直前の館内で、ワラスグリという道具で藁の束をこぎ、その藁を使って養蚕に使う改良まぶしを作っています。

常設展示で養蚕の道具を展示するに際して、でき上った改良まぶしだけでなく、それを作る道具とともに展示することを目的に、普段から調査などでお世話になっていた方々にお願いしました。また、実際に作っていただくことで、道具の使い方や作り方を撮影することができました。なお、現在、この改良まぶしは展示替えのため、展示されていません。

                 

 

最後の写真は、平成9年[1997]2~3月に開催した、企画展「川と生活~相模川と人々のくらし~」で展示した船に帆(ほ)をはる様子です。相模川では、昭和初期頃まで物資の運搬をする帆かけ船が通り、展示の目玉の一つとして、実際に展示会場に帆かけを再現しました。                  

帆かけは、例えば帆柱への取り付けや縄の結び方など、さまざまな技術があります。作業は南区磯部地区の民俗資料保存会の皆様にお願いし、帆かけ船の様子を来館者に見ていただくことができました。                                   

 

重ねて述べるまでもなく、博物館は多くの市民の皆様のご協力のもと、内容によっては協働しながらいろいろな活動を展開しています。今後とも、そうした点を大切にしながら、写真を含めた各種の資料を蓄積していきたいと思います。

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