大夕張炭鉱の石炭

先日、市民の方から大夕張炭鉱の石炭をご寄贈いただきました。大夕張炭鉱はすでに閉山となっています。

この石炭は、大夕張炭鉱に勤務されていた寄贈者のご家族の方が炭鉱から持って来られたもので、大夕張炭鉱の閉山が決まり、存続を陳情するために国会を訪れたときに持参したものだそうです。おそらくは、「こんなに高品位の石炭が採掘できるのに、なぜ閉山にするのか」のような旨で陳情されたのではないかとのことです。

石炭は大昔の植物が湖底や海底に堆積して、それらが熱や圧力を受けて変化してできました。この標本に見られる水平方向の縞模様は植物が堆積したときの痕跡で、地質学的にも良好な標本です。

炭鉱から持って来られた経歴から、地質学的だけでなく歴史学的な観点からも重要な博物館資料です。

標本や資料に関わる情報や記録が多ければ多いほど、博物館資料として貴重なものとなります。

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