枯損木の見分け方の講習を行いました

4月16日に市内緑区のキャンプ場で起きた大変痛ましい事故を受け、4月26日、市観光・シティプロモーション課主催で枯損木(こそんぼく)を見分け方を学ぶ講座を実施しました。講師として当館生物担当学芸員が出向き、座学と野外講習を担当しました。会場には市内のキャンプ場関係者など約20名のみなさんが集まりました。

青野原野呂ロッジキャンプ場のご協力を得て実施しました 報道各社も取材に来ています

樹木が生きたまま倒れるのは、災害レベルの強風や地滑り、土石流、落雷など外から大きな力が加わった場合です。つまり、周りの木が倒れていないのに、ある木が突然倒れるとしたら、それは枯死していたからです。今回は、そうした枯死に至る主な原因やその過程について見方を紹介しました。

樹皮がささくれたりめくれたミズキの枯死木

周りが青々した葉が伸びているのに、枝に葉が無い枯死木(ミズキ)

木が枯死に至る場合、多くは枝葉末節から枯れていきます。周りが青々した葉をつけているのに、葉のついていない枝が目立つとしたら、その木はかなり不健康な状態になっています。そうした木がいずれ全体的に枯れて倒れる可能性がある様子を、雨が弱まった野外でも見ていただきました。

野外で講習

現場でも、枯死して中折れした木がありました(野外講習の会場は閉鎖中の野外活動施設です) つる植物が異様に巻き付いているのも枯死の前兆です

野外活動におけるリスクマネジメントの基本は、危険の予測と把握、回避です。しかし、これをバランスよく行わないと、究極的に危険を回避するためには「野外活動を行わない」という逆説に行きついてしまいます。博物館でも様々な野外活動を行います。危険の可能性をどこまで把握して受け入れた上で野外活動を行うかを考えるきっかけにもなりました。
(生物担当学芸員)

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