博物館休館日の裏側

6月27日(火)と28(水)の2日間、相模原市立博物館は保守点検等のため休館をしていました。
休館日とはいえメンテナンスのためのお休みですので、職員は出勤して館内各所で作業を行います。こうして半年に一回程度、開館中にはなかなか手が行き届かない場所の清掃や修繕、資料の入れ替えなどを実施することで、来館者の皆さまはもちろん、働くスタッフや資料にとっても安全で快適な博物館を保つのです。

それでは、博物館の臨時休館中に行うメンテナンス作業について、より具体的に紹介します。

資料入れ替え後の展示ケース

歴史分野では、収蔵庫及び前室(収蔵庫内の環境を一定に保つため、出入口の前に設けた部屋)の全床面清掃のほか、自然・歴史展示室「郷土の歴史」の近世コーナーにある一部の紙資料を入れ替えました。

普段は閉まっている展示ケースの蓋を開けて…

いつでも同じ資料を見られることは常設展示の利点ですが、資料保護の観点からすると劣化につながってしまう場合があります。特に、紙資料は温湿度の変化や光による影響を受けやすいため、こうしてメンテナンス休館のタイミングで資料の入れ替えを行うのです。

当館の歴史資料は、おもに地域の方のご厚意で譲っていただいたものや、お預かりしているものがほとんどです。どのようなものでも、経年による劣化を避けることは難しいですが、資料にとってよりよい環境を整え、末永く後世に伝えると同時に、皆さまの学びに役立てることは、博物館の重要な使命のひとつなのです。
もし、今回入れ替えた中にお気に入りの資料があった方はしばしの間ご覧いただくことができませんが、ぜひ展示替え後の常設展示コーナーにも足を運んでいただければと思います。

(歴史担当学芸員)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと タグ: , パーマリンク