2月星空情報「うるう年」

みなさんは今月のカレンダーを見て、あれ?1日多い、と思いませんでしたか?

カレンダー(2月29日)

2024年は「うるう年」なのです。それでは、どうしてうるう年ってあるのでしょうか?

それは1年の長さ(地球が太陽の周りを1回公転する時間)が、1日の長さ(地球が太陽を基準にして1回自転する時間)で割り切れないからです。
まずは、実際に地球が太陽の周りを1回公転する時間である「1太陽年」が、約365.2422日であることを覚えておきましょう。

地球の公転(イメージ図)

現在、世界の多くの国で使用されているカレンダーは「グレゴリオ暦」と呼ばれる暦です。グレゴリオ暦は、地球が太陽の周りを回る周期を基にしてつくられた「太陽暦」のひとつです。

1582年にローマ教皇グレゴリウス13世が制定しました。各国が導入した時期はまちまちで、現在も使用していない国があります。日本では明治6年(1873年)に採用しました。

グレゴリウス13世

ヨーロッパ諸国がグレゴリオ暦を導入する前に使用していたのが「ユリウス暦」です。ユリウス暦も太陽暦のひとつで、古代ローマのユリウス・カエサルによって制定され、紀元前45年から実施されました。

ユリウス・カエサル

ユリウス暦でもうるう年を置いており、4年に1度、1年を366日にします。
ユリウス暦の1年は365.25日ということですので、1太陽年と比べると、1年で11分14秒ずれることになります。これは128年で1日分のずれに相当します。

一方、グレゴリオ暦は4年に1度、1年を366日にすることはユリウス暦と同じです。
グレゴリオ暦ではさらに、400年間に3回だけうるう年を省きます。すると、グレゴリオ暦の1年は365.2425日となって、1太陽年と比べると、1年で26秒ずれることになります。これは約3000年で1日分のずれに相当し、ユリウス暦よりかなり精度が高くなっていることが分かります。

ちなみに、2月だけが他の月よりも日数が少ないのは、古代ローマで使われていた暦が、現在の3月にあたる月が1年の始まりで、2月が最後の月だったからです。

例年より増えた1日を、みなさんにとって大切な1日にしてください。
(当館プラネタリウム解説員)

【休館のお知らせ】相模原市立博物館は館内エレベーターの改修工事のため、令和6年2月29日まで休館となります。休館期間中も職員は出勤しております。電話や電子メールなどは通常どおりつながります。また、休館期間の学芸員の活動の様子などはこのブログや、SNSなどで発信してまいります。ご迷惑をおかけしますが、ご理解とご協力をいただきますようお願いします。

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