尾崎行雄は又野村(現在の緑区又野)出身の政治家で、本市における郷土の偉人です。明治23(1890)年の第1回衆議院議員総選挙で初当選してから連続当選25回、通算議員在任歴60余年の間、民主主義と国際平和のために尽力しました。その功績から、「議会政治の父」、「憲政の神様」と称されています。

大正3(1914)年、司法大臣就任時の尾崎行雄(当館所蔵)
尾崎が生まれた又野の屋敷跡に建つ尾崎咢堂記念館では、生前の愛用品などゆかりの品々をとおしてその生涯や活動の足跡を紹介しています。
この尾崎咢堂記念館を会場に、11月1日(土)からミニ企画展「選挙と尾崎行雄(咢堂)」を開催します。

市立尾崎咢堂記念館(緑区又野)
この展示は、本年が普通選挙法(いわゆる男子普選法)が制定されてから100年を迎えることにちなんで企画されたものです。
日本で国会制度が始まった明治時代の選挙は、年齢・性別・納税金額などの要件を満たす限られた人にしか選挙権が与えられない制限選挙でした。これが、大正14(1925)年に制定された普通選挙法により、満25歳以上の全ての男性に選挙権が与えられることとなります。のちに選挙権年齢が引き下げられ、女性にも参政権が認められるなど段階的に制度が見直され、今日の完全普通選挙が実現しています。この第一歩となる普通選挙法の成立に際し、先頭に立って要求運動を行った人物が尾崎行雄なのです。

展示の様子(多目的室)
ミニ企画展では、尾崎が重要性を説いた「選挙」に関する言葉とともに、普通選挙運動を中心とした歴史をパネルで紹介しています。
さらに、主要国における投票率の推移や、若年層有権者を対象に実施されたアンケート結果、主権者教育についてなど、平成28(2016)年施行の改正公職選挙法によって選挙に参加することとなった若い世代の皆さまにも注目いただきたい内容となっています。
展示情報は以下のとおりです。会期中にぜひご来場ください。
ミニ企画展「選挙と尾崎行雄(咢堂)」
会 期:令和7年11月1日(土)~令和8年1月12日(月・祝)
 ※休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館)、11月4日(火)・25日(火)、12月28日(日)~1月3日(土)
時 間:午前9時~午後4時30分
会 場:市立尾崎咢堂記念館 ※観覧無料
主 催:相模原市立博物館
企画・運営:尾崎行雄を全国に発信する会
また同日より、尾崎咢堂記念館では常設展示の一部を入れ替え、これまでのミニ企画展バックナンバーの中から、「尾崎行雄の不戦運動」(令和3年度)、「憲政擁護運動と尾崎行雄(咢堂)」(令和5年度)、「第2次憲政擁護運動と尾崎行雄」(令和6年度)を展示しています。(※いずれもパネルのみのダイジェスト版です。)

展示替えを実施した資料室の常設コーナー
お越しの際は、こちらもご覧いただけると幸いです。
(歴史担当学芸員)
 
								

