2月22日 企画展「相模原のたからもの」展示解説

2月22日に企画展「相模原のたからもの」の展示解説を行いました。4回にわたって行ってきた展示解説はこれで最後となります。今回は当館の地質担当学芸員と歴史担当学芸員がそれぞれの専門に関わる展示について解説しました。

まず地質担当学芸員が、第1部「相模原の文化財」 プロローグ「相模原の文化を育んだ自然」のコーナーで、相模原の地形と地質について解説しました。
相模原市の地形や地質は文化財指定されているものはありませんが、歴史と文化に大きな影響を与えています。

相模原市の地形は西部と東部で大きく異なります。西部は急峻な山地ですが、そこを刻んで流れる相模川などの河川沿いには街道が通り、人や物資が行き交う重要な交通路となっています。

相模原市西部の山地の地形や地質について解説しました。

東部は台地で平坦な地形ですが、近くを流れる川との標高差が大きく、また、水が貯まりにくい地質の影響のため、生活に必要な水が得にくい環境となっています。このことが農業などの人々の生業に影響を与えてきました。

相模原市東部の台地の地形や地質について解説しました。

後半は歴史担当学芸員にバトンタッチし、第1部第3章の近世コーナーを展示解説しました。
このコーナーは、江戸時代に整備された五街道の甲州ひとつである甲州街道(甲州道中)が通る津久井地域と、大規模な新田開発が進められた相模原地域という2つのテーマで構成しています。

甲州街道に関わる展示は、市域に設置された4つの宿場(与瀬宿、小原宿、吉野宿、関野宿)を代表する文化財の小原宿本陣吉野宿ふじやについて取り上げました。

展示資料の小原宿絵図と、宿場のまちなみが再現されたジオラマを照らし合わせて説明しています。

続いて相模原地域では、「相模野周辺三十六ヵ村入会絵図」に描かれた広大な原野“相模野”が、周辺各村の入会地(=飼料や堆肥、燃料などにするための萱・柴・落葉などを採取する共同利用地)だったものから開拓されていった歴史を紹介しました。
前半の地質分野からの繋がりを意識して、水が乏しかったために新しく拓かれた土地でも水田ができず、畑作や養蚕が主要な産業となったことをお伝えしました。

多くの方に解説を聞いていただきました。ありがとうございました。

企画展「相模原のたからもの」は3月1日までです。残り期間はわずかですが、相模原の文化財を一堂に見ることができる貴重な機会です。ぜひ会場でご覧下さい。

(地質担当学芸員、歴史担当学芸員)

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