地質調査日誌1/10 岩殿山

1月10日、金曜日。晴れ。

この冬一番の冷え込みの中、大月市の岩殿山へ調査に出かけました。岩殿山は相模原市にある石老山と同じような礫岩でできています。

桂川に架かる橋から見た岩殿山です。右側、電線のあたりが山頂です。

登山道の入口から中腹までは安山岩が分布しています。

中腹の丸山公園あたりからは礫岩が分布しています。石老山をつくっている礫岩とよく似ています。

岩殿山は戦国時代の城跡で、山頂は烽火台として使われていたようです。岩殿山の標高は634m!スカイツリーと同じ高さです。

かつての烽火台は、今は無線の中継基地。今も昔も利用のされ方はほとんど変わっていません。

山頂付近から見た大月市街と富士山。桂川の河岸段丘上に発達した大月の街が良く見渡せます。

山頂から少し戻って、尾根伝いにさらに北を目指します。この先も礫岩が続きます。

途中、岩場を伝ったり、登ったりするクサリ場が2箇所あります。

巻き道もついているので、迷わずそちらを選んだら、巻き道の方も結構、急斜面を下る道でした。

「稚児落とし」と呼ばれる礫岩の断崖絶壁。登山道はこの絶壁の上を通ります。幅がかなりあるので、崖の端に近づかなければそれほど危険ではありません。しかし、柵も手すりも無いので、端に寄りすぎると落ちる可能性があります。道床にも礫岩が見られるのですが、観察に夢中になって落ちると生きて帰れないので、観察もそこそこにして通り過ぎました。

山から下りたところを流れている浅利川の河床にも礫岩が露出していました。川沿いの方が岩石の露出も良く、観察しやすいので、このまま調査を続けたくなりましたが、時間も装備の無いので、簡単に観察するだけにとどめました。機会があればまた訪れたいところです。

最後に浅利川の川砂を採集。この上流にはかつて金鉱山があったので、砂金が含まれているかも?

今日歩いた行程に露出していた岩石はほとんど礫岩で、礫岩を堪能した1日でした。

(地質担当学芸員 河尻)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと パーマリンク