ジョロウグモの卵

確か、最初にブログに書いたのがこのネタだったと思うのですが、そろそろ成体のシーズンも終わりなので、卵のう探しでもするか…と、博物館の周りを見て歩いたのですが、これが全然見つかりません。
今年はそこそこ個体数がいたのに、皆、高い位置に産卵したのか、それとも思いの外、卵が育たなかったのか…
そんな事を考えながらふと足元を見ると、腹部が大きくふくらんだメスが、寒くて身動きできないでいました。このままだと間違いなく、卵を産まずに死んでしまいます。

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この卵不足の折、なんとももったいない話。もしかして暖かい室内に連れて行けば、産卵するだろうか?と、思いついて、飼育容器に入れたのが12月19日の事。

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慣れない場所で、居心地悪そうです。
そして、今日(12月21日)に見ると、見事、卵のうができあがっていました。

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野外で見るのとはちょっと感じが違う気がしますが、卵もちゃんと入っているようです。恐らく数百個はあるでしょう。
母グモはすっかりお腹が細くなって、同じ個体とは思えない体型変化です。
予定ではこの卵のうは屋外に出して観察するつもりでしたが、容器の壁に産んでしまいました。おまけに母グモがガードしています(ジョロウグモってそんな事したっけ?)。
ちょっと妙な事になりましたが、しばらく様子を見ようと思います。(学芸班 木村)

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