あやしげな腐生植物

今日は緑区のある山に、絶滅危惧植物の生育状況を確認する調査に行きました。
シャクジョウソウ(イチヤクソウ科)です。神奈川県では絶滅危惧1A類。じつは、かなり珍しく個体数の少ない植物です。
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それにしても、植物らしくない姿形です。緑色の部分がどこにもありません。近いなかまのギンリョウソウと同じく、腐生植物です。菌根をつくって樹木と共生している菌類(キノコのなかま)にとりついて、そこから栄養をもらって生育します。葉緑体を持たないので、光合成はいっさいしません。なんともしたたかな生き方ですね。
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同じ山で、アオテンマも見ました(上の写真)。オニノヤガラの品種ですが、淡黄緑色が梅雨の林内にとても映えていました。この植物も、ラン科の腐生植物です。シャクジョウソウと全く異なるなかまの植物ですが、生き方はよく似ていますし、なんとなく、雰囲気も似ていますね。
(生物担当学芸員 秋山)

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