繭形

カイコは今日で17日目。4眠に入り、いよいよ最終ステージ、終齢へのカウントダウンです。明日にはモリモリ驚異的な食欲の5齢となることでしょう。
ところで当館で育てているカイコのタネ(蚕種)は信州上田産です。そのご当地銘菓をいただきました。

開けてみて唸りました。さすが蚕都上田、これが“正しい”繭形です。

中央部分にくびれがあるのが日本語で言うところの繭形です。現在広く育てられているのは、雑種強勢により大きな繭を産出させるため、中国大陸原産の丸形繭を作る品種と在来の品種による雑種第一世代(f1)がほとんどです(当館で育てているのもそれです)。この繭は楕円体(丸形)でくびれのない形をしていてそれはそれで美しいのですが、こうした形の繭が普及したのは戦後と言われています。もともと日本で育てられていた伝統的な繭は中央にくびれがあり、これを本来の繭形と言います。有名な小石丸の繭も、くびれがあります。
お菓子の形からずいぶん語ってしまいましたが、繭にはまだまだおもしろい話がいろいろとありますので、また後日・・。
(生物担当学芸員 秋山)

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