大学の野生動物学実習を実施

10月4日、毎年恒例となっている、麻布大学動物応用科学科の実習「野生動物学実習」を当館で実施しました。麻布大学と相模原市は包括連携協定を結んでおり、こうした実習を積極的に受け入れています。
博物館での実習ですから、まずは生物多様性情報の蓄積のための地域博物館の役割と標本の意義について室内でレクチャーを行いました。その後、野外へ出て昆虫採集を行います。

昆虫採集の基本について説明を受けて、虫採りに出発!

捕虫網を振るのは小さな頃以来、という学生さんも多く、楽しみながら採集をしました。

捕虫網の扱いにもだんだんと慣れていきました

恐る恐る網から取り出します

小さなものから大きめのものまで、いろいろな昆虫を採集できました。

ヒメクダマキモドキ 見事な保護色ですが、この後採集されました

午後からは、採集した標本を使っての実習です。形態をよく観察して、同じ仲間と思われるものの組み合わせを作ります。そして、その共通点に着目してスケッチをしました。

班の中でディスカッションしながらより分けていきます

真剣にスケッチしています

科学的なスケッチとは、見栄えよりも、客観的な視点、つまり、その特徴をしっかりととらえて表現することが求められます。そしてその観察から導かれた特徴や着目点について、班ごとに発表してもらいました。

着目した共通点などを発表

図鑑やインターネットなどで調べた知識ではなく、目の前の標本から得られた情報に絞り込んで発表するのが重要なところで、みなさんそれをしっかりとこなしてくれました。
その後、当館の動物分野の学芸員から、自身が昆虫で新種記載した論文を紹介してもらい、じつはこの実習の内容の延長線上にそうした研究があることを示しました。
最後に収蔵庫を見学し、標本を永久保存する環境や施設を実際に体感してもらいました。

収蔵庫の見学

科学的な観察眼で標本を扱うことについて、地域博物館の使命とともに学べたことと思います。
(生物担当学芸員)

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