ガンクビソウ

秋の色が濃くなってきた林内を歩いていたら、ガンクビソウが花をつけていました。

ガンクビソウ(キバナガンクビソウ)

この花の種名にある、雁首(がんくび)とはなんでしょう。「雁首揃えて・・」などちょっと物騒な使い方をされますが、花の名はこうべを垂れた人の頭になぞらえたものではありません。その由来は、昔の煙草(たばこ)具である、キセルです。

キセル(煙管) 赤い丸印の部分が雁首

タバコの葉を乗せる皿の部分を雁首と呼んでいて、花がその形に似ているところからついた名です。なるほど、よく似ていますね。
近くには近縁のヤブタバコも咲いていました。

ヤブタバコ

こちらも名に煙草とありますが、キセルとは関係ありません。葉が植物のタバコに似ているからです。
ちなみにどちらの種も、タネが実るとベタベタしてくる、ひっつき虫です。これから季節が進むと、衣服にもひっついてなかなかやっかいな植物になります。
(生物担当学芸員)

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