真夏の丹沢

今日は県の丹沢再生委員会の現地調査会で、檜洞丸(1601m)に登ってきました。さまざまな専門を持つ委員会メンバーのみなさんと、あれやこれや語りながら登ります。

昨年から、丹沢の樹林の林床を構成する重要な植生であるスズダケの大規模な開花が見られています。ササであるスズダケが開花するということは、その後一斉に枯れるということです。今日歩いたブナ林の林床もこのとおり。

この後、ササを失った林床がどうなるのか、さらに、ササを頼りに冬をしのいできたシカはどうなるのか、丹沢再生委員会としても見守っていくしかありません。
午前中の急登の途中に、タマゴダケの三兄弟に出会いました。

真夏は開花している植物がちょっと少なくなりますが、タマガワホトトギスがきれいに咲いていました。

標高1000mを超えると、ブナの大木がそびえ立ちます。

しかし、さらに上がって稜線付近に出るとブナハバチの大発生によって葉の食い尽くされたブナが目立ちます。かつて10年くらいの周期で大発生していたブナハバチですが、最近は3年に1回くらいの周期で大発生しているとか。その結果はこのとおり。

立ち枯れたブナが目立ちます。丹沢を象徴する自然林の厳しい現状です。
真夏の丹沢は、稜線でも午後になると気温が30度近くなります。むんむんと暑いのですが、それでも風が吹くと涼しく、汗をかいても気分はとても清々しくなります。
下りは徐々に気温も上がり、メガネが曇るほどの熱気を発しながら歩きます。登りに見たタマゴダケ三兄弟はちょっとだけ背を伸ばしていました。

尋常ではない汗をかき、足がガクガクになるほど上って下りましたが、結論です。暑かろうがいろいろ環境に問題はあろうが・・「やっぱり丹沢の山はいい!」
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと パーマリンク