マルバルコウ

なかなか降り止まない雨が午後、ちょっとだけやみました。すかさず自転車を走らせて、博物館の近くの道端で写真を撮りました。

ヒルガオ科のご紹介シリーズ、今回はこのおばけのように看板を覆った植物です。マルバルコウと言います。このようすが撮りたくて、雨雲レーダーを時折チラチラ眺めて雨の切れ目を狙っていました。
花を拡大すると、さすがはヒルガオ科です。漏斗状の五角形の花弁に、このなかまには珍しい朱色が鮮やかなかわいらしい花です。

雨にも映えて、しかもこのお天気なのにしっかり花が開いています。

すぐ横に、次にご紹介しようとしているマルバアサガオもありましたが、午後ということもありますがそちらはすべてしわくちゃにしぼんでいました。
それにしても、旺盛な繁殖力です。

じつはこのマルバルコウ、畑に入るととんでもなく猛威をふるい、農家の方々を困らせます。先日ご紹介したマメアサガオコヒルガオもそうですが、ヒルガオ科の雑草はほぼすべて、畑の強勢雑草です。
じつはこのマルバルコウ、近縁のルコウソウは朝顔市などでも売られることがある可憐な園芸植物です。花はそっくりですが、朱色ではなく強烈な緋色で、葉が糸のように細く切れ込みます。
ルコウソウはあまり野外にはびこらないのですが、なぜかこのマルバルコウは秋の代表的な雑草となっています。
(生物担当学芸員 秋山)

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