「ASTRO-H=ひとみ」打ち上げパブリックビューイングにご参加ありがとうございました

昨日(2月17日)の夕方、JAXA宇宙科学研究所が国際プロジェクトとして進めている、X線天文衛星「ASTRO-H(アストロ エイチ)」の打上げが行われました。

「ASTRO-H」は全長14mのX(エックス)線観測用(※)の宇宙望遠鏡、いわば宇宙に浮かぶ天文台です。宇宙を飛び交うX線は地球の大気で吸収されてしまうため、天体からのX線を観測するためには望遠鏡をロケットに搭載して宇宙空間まで打上げなければならないのです。
※X線観測用の装置が中心ですが、ガンマ線を捉える観測装置も搭載されています。

パブリックビューイングポスター

相模原市立博物館でもその打上げの様子を市民のみなさんと一緒に応援するパブリックビューイングを開催して、78名の方にご参加いただくことができました。みなさんありがとうございました。

パブリックビューイング会場の様子
パブリックビューイングはプラネタリウムが会場でした。ドームスクリーンに大きく中継映像を映し出して、みんなで見上げて応援しました。写真は中継が始まる前の明るいうちの会場の様子ですが、中継映像が流れ始め場内を薄暗くしてからも、さらに多くの方が来場されました。

種子島宇宙センターからインターネット中継される映像で音声のカウントダウンが始まると、みなさん静かに打上げの瞬間を待って見守られていましたが、17時45分、「ASTRO-H」を搭載したH-IIAロケット30号機が無事飛翔すると、場内に大きな拍手が沸き起こりました。

打上げのあとも、補助ロケットブースタの切り離し頃までは地上から撮影された映像が中継され、本体主エンジンからの炎と2つの補助ロケットの炎が上空で徐々に離れていく様子を、きれいに見ることがでました。

その後、ロケット現在位置のCGと高度などのデータが表示される画面に切り替わりましたが、第1段の切り離し、第2段エンジン点火などが順調に進んでいきました。そして、打上げから14分15秒後、日本最東端の南鳥島付近の太平洋上空約580kmあたりに達したところで、ロケットと「ASTRO-H」の切り離しが行われ、「ASTRO-H」は地球の周りを回る軌道へと投入されました。

パブリックビューイングの終了後のことになりますが、打上げから約2時間後には「ASTRO-H」の太陽電池パドルの展開が正常に行われたのが確認されたこと、ASTRO-Hがあらたに「ひとみ」と命名されたことがJAXAから発表されました。

さらに、X線天文衛星「ひとみ」が、計画された軌道にほぼピッタリ投入されたことも、今日(2月18日)になって発表されています。「ひとみ」の軌道は、地球を96分あまりで1周するほぼ円軌道(地上からの高度約575km)とのことです。
(天文担当学芸員 岸)

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