柴胡の原の薄曇

今日は相模原市立環境情報センターで、ミシマサイコに関する講演を頼まれました。この講演会は市主催「地域活動実践講座」修了生の会であるシニア活動の森とセンターの共催です。

なんと約80名の受講者で満席。ミシマサイコ(柴胡)への関心の高さにちょっとたじろぐほどの熱気でした。
相模野台地の古地名である柴胡の原(読みはさいこがはら)については二つの由来があります。ひとつは市内下九沢の小泉家に残る芭蕉句碑「陽炎や 柴胡の原の 薄曇」です。
しかし残念ながら、芭蕉が相模野を訪れた記録はなく、現存する芭蕉句集によれば「陽炎や 柴胡の糸の 薄曇」とあります。意図的かどうかわかりませんが、読み替えです。
そして確実な由来は江戸時代の蘭学者である渡辺崋山の遊相日記(1文字目はさんずいに遊のつくり)によります。
ただ、今日のような昼過ぎのお天気はまさに薄曇り。芭蕉の句を読み替えた相模野の先人の思いを感じながらお話を進めました。読み替えとしても、当時このあたりが柴胡の原と呼ばれていたことを示す証拠です。
さて、自分の講演の写真を沢山挙げてもおもしろくないので、昨日の丹沢の写真から。
登り口の沢で植物調査会の方が見つけたナミウズムシ(プラナリア)です。

帰りに水分補給のために寄ったコンビニで人をまったく恐れず羽休めしていたツバメです。美人さん!

今週は花粉症をこじらせて喉を痛めてしまったのですが、頼まれた講演や授業が5回。もっと自己管理をしっかりとしなくてはとちょっと反省モードです。
(生物担当学芸員 秋山)

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