シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」で見る名所紹介㉙ かたくりの里

山肌に 花咲き競う かたくりの里

(やまはだに はなさききそう かたくりのはな)

絵札に描かれるのは「城山かたくりの里」

絵札に描かれる「城山かたくりの里」(緑区川尻)など、相模原市内には一般に公開されているカタクリの名所がいくつかあります。どれも地域で保全・育成活動が行われていて、毎年、桜の咲く季節の少し前あたりに見ごろを迎え、散策におとずれる人の目を楽しませてくれます。
山野草としても人気のあるカタクリですが、野生のカタクリはどのような場所に咲くのでしょうか。それは、少し明るい山林の斜面です。

山林の斜面に咲くカタクリ(自生)

この写真は、神奈川県内では極めて貴重な自生地(相模原市緑区)に咲く様子です。少し標高の高い場所なので、4月下旬に咲きます。
こちらも緑区の沢沿いの山林内にある自生の群落です。斜面が好きな植物で、花はまるで崖下に向かってうつむくように咲きます。

カタクリの花(自生)

カタクリはユリ科の植物で、かつて(といっても相当むかしの江戸時代以前)この鱗茎(りんけい=球根)から片栗粉(かたくりこ)を製造していましたが、現在はジャガイモの馬鈴薯(ばれいしょ)でんぷんから作られます。カタクリは絶滅危惧種なので、今は根を掘り取るなんてとてもできません。

葉も特徴的なカタクリ(自生)

カタクリは春に開花、結実すると、初夏までに葉も枯れてしまいます。そうして地下の鱗茎の状態で冬を越し、春が近づくとゆっくり葉と花径を伸ばします。こうした植物をスプリング・エフェメラル(春のかげろう=はかないもの)と呼びます。
カタクリの自生地には、他にもキクザキイチゲやヤマエンゴサクなどのスプリング・エフェメラルもあり、早春らしい花色を楽しむことができます。

キクザキイチゲ

ヤマエンゴサク

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