トンネルとコウモリ

10月12日、市内緑区のあるトンネルにコウモリの調査に出かけました。ここは、ふだん人が立ち入れない場所で、川が増水した時にだけ水を流すために造られた古いトンネルです。管理者の許可を得て、立ち合いのもと入坑しました。奥の方は素掘りのため、洞窟を好むコウモリの格好のすみかになっているのです。最奥部にはユビナガコウモリがいました。

ユビナガコウモリ

光を当てると逃げてしまうため、正確な数を数えるのは困難です。しかし、ここのユビナガコウモリは5、6頭ずつの塊で天井につかまっていることが多く、初めにライトを当てた時にすぐ全体を見渡して、コウモリの止まっている範囲と塊の数を概数で数えます。
その結果、約200頭いることがわかりました。

5頭が固まっているところ

ユビナガコウモリは関東地方でも数千頭の集団生息地が見つかっていますが、神奈川県内ではそうした集団生息地はこれまで知られていませんでした。
このトンネルはこの数年の間に大規模な改修工事が行われるため、ユビナガコウモリの集団生息地が存続するのは難しいかもしれません。しかし、現況をできるだけ把握して、改修後に戻ってこられるような措置を模索し、提案していきたいと考えています。

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