小さな青いオニ

今朝見かけたクモは、アオオニグモです。赤鬼、青鬼、という訳ではなく「オニグモの仲間で、腹部が緑色をしているから」ついた名だと思われます(因みにアカオニグモというのもいます)。

因みにどんな姿をしているのかというと…

んー、あまり青くないですね。腹部がぼんやり白くて、黒い模様があって、ちょっと不気味…
でもひっくり返すと…

こんな風にきれいな緑色をしています(写真は死んだふりをしているところです)。

体長はメス9-11mm、オス5-6mm(写真はメス)。出現期はちょうど今頃から夏にかけてです。平地~山地まで広く雑木林や林道、生け垣などに垂直円網(一部のヨコ糸を省略しているので「キレ網」と呼ばれる事もある)を張ります。似た種類に、主に秋に見られるビジョオニグモがいます。

ところでこのアオオニグモ、普段はなかなか姿を見る事ができません。というのは、網の近くの葉に天幕状に糸を張って隠れているという、ちょっと面白い習性があるからです。自分は身を隠していて、エサがかかったらいただこうという、ちゃっかりした戦術ですが、食う、食われるという生き物の関係の中で、身を守りつつ生存を確保するというひとつの方法です。

それはともかく、陰に隠れて糸をつかんでいる姿をみつけると、なぜか嬉しくなります。ちょっとした発見をしたような気分になるからでしょうか。いかにも子どもっぽい理由ですが、そんなわけで、今日は朝からからちょっと良い気分になりました。(学芸班 木村)


葉に「天幕」を張って隠れているところ。左下に向かって一本の糸が伸びているのが見えるでしょうか。この糸は円網の中心部分に繋がっていて、その振動で獲物がかかった事を感知します。

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