シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㊸ ㋽映画の博物館 相模原に国立の映画フィルム保管庫が!?

㋽映画の博物館 国立映画アーカイブ 相模原(えいがのはくぶつかん こくりつえいがあーかいぶ さがみはら)

㋽国立アーカイブ相模原分館

相模原に国立の映画フィルム保管庫があったなんてご存じでしょうか?

それも博物館のお隣りでJAXAのお向かいにあるのです。

ちょっと周辺に行ってみましょう。

博物館南側道路の道沿いにあります。右手が国立映画アーカイブ、左手がJAXAです。

国立映画アーカイブ 相模原分館

入口に寄ってみました。

国立映画アーカイブ分館とは?

1986(昭和61)年、在日米軍キャンプ淵野辺跡地に日本で最初の美術館である東京国立近代美術館の「フィルムセンター相模原分館」として建築されました。歴史的、資料的に優れた映画フィルムの収集、保存、復元を主な業務としている日本で唯一の国立映画専門機関です。

一般公開はされていませんが、過去には市内に関連する行事にご協力いただいたり、一般公開や映画の上映会をするなど、地域と連携する事業も行っています。

今回の機会に、国立映画アーカイブ(旧 フィルムセンター)について、素朴な疑問を公式ホームページから調べてみたので3つご紹介します。

①なぜ相模原にあるの?

フィルム保存施設用地の候補地としてキャンプ淵野辺返還国有地(※)の一部、15,000㎡の使用が国有財産中央審議会に折り込まれ、1981(昭和56)年に大蔵大臣(現在の財務大臣)に答申されました。1984年に建設予定地として大蔵省(現在の財務省)よりフィルムセンターが土地の所管替えを受けました。1986年3月13日には竣工式が行わました。

相模原分館(映画保存棟Ⅰ)の設計は芦原義信氏によるそうです。芦原氏は上野の国立科学博物館や千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館も設計しています。

その後、分館の保存庫の改築、資料の増加に伴い増築棟(映画保存棟Ⅱ)、重要文化財映画フィルム等を専用に保管する「映画保存棟Ⅲ」の工事が完了し、現在に至ります。2018年から独立行政法人国立美術館の6番目の館「国立アーカイブ」として設立しました。

※キャンプ淵野辺跡地については、シリーズ「相模原ふるさといろはかるた」でみる名所紹介㉑銀河アリーナで詳しく説明していますのでご参照ください。

正面から見えるのは映画保存棟Ⅰ 芦原義信氏設計だそうです。

②どんな仕事をしているの?フィルムはどのくらいあるの?

映画フィルムや映画関連資料を、24時間空調システムによる管理のもと、適切な温湿度環境で安全に保護し、映画フィルムの検査やデータの採取、出入庫作業等を行っているそうです(映画フィルムは、専用保存庫で温度2~10度、相対湿度35~40%の環境下で管理)。

相模原分館に保存されている所蔵フィルムの数は、82,946本(2020年2月末時点)だそうです!8万本も収蔵されているのですね。

③映画の重要文化財があるってほんと?

国立映画アーカイブは、日本で初めて重要文化財に指定された映画フィルム『紅葉狩』をはじめ、ネガフィルム3点とポジフィルム1点の計4点、重要文化財指定フィルムを所蔵しています。1899(明治32)年に撮影された『紅葉狩』は現在最古の日本映画だそうです。

また、これらのフィルムは可燃性のため、消防法で定められた危険物に指定されています。よって、専用の保管庫で永く安全に保管しているそうです。

 

さいごに・・・

みなさんも記念の写真を残す際、デジタルカメラや携帯のカメラを使うことが日常的になってきていると思います。近年、デジタル技術が浸透してフィルムでの撮影することは少なくなってきています。

けれど、フィルムは適正な温度と湿度の環境下であれば、数百年安定的に保存できることが、実験によって明らかになっているそうです。映画フィルムという文化財を今後も守り、次世代に継承する機関として活動されています。博物館とも通ずる施設ですね。

国立映画アーカイブ京橋本館では、一般の方へ上映会や展覧会、講演会を随時行っているそうです。よかったら足を運んで、映画の文化財にも触れてみてください。

*このかるたは当館のボランティア「市民学芸員」が2017年に制作したものです。
*このかるたは相模原市立博物館の開館日に閲覧・貸出し可能です。(貸出しは要予約)
*貸出し詳細やかるたに関心のある方は、博物館までご連絡下さい(042-750-8030)。
*貸出し使用時には感染症予防のため、事前・事後の手洗い・消毒を必ず行って下さい。

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