県立生命の星・地球博物館で薮内正幸作品の魅力を語る

2月23日から始まっている、神奈川県立生命の星・地球博物館の企画展「動物のくらしとかたち-薮内正幸が描いた生態画の世界-」の関連講演会「薮内正幸に魅せられて―生態画の世界へようこそ」で、当館学芸員の秋山が講演を行いました。

神奈川県立生命の星・地球博物館 企画展のポスター

演者は3名で、薮内正幸美術館(山梨県北杜市)館長でご子息の藪内竜太氏と、鳥類画家の神戸宇孝(ごうど うたか)氏と秋山です。
竜太氏からは、動物画家、薮内正幸(1940-2000)の子ども時代から画家として独り立ちするまでのことを中心に、神戸氏からは、強い影響を受けた薮内作品の魅力について画家の視点から、そして秋山からは、子どものころからの薮内品への憧れや、一度だけ面会した際のエピソードなどを紹介しました。

講演の様子

小学生の頃に影響を受けた薮内作品

この講演会の様子はアーカイブ配信される予定です。

第2部のトークセッションの様子

薮内正幸氏は、野生動物に関心のある人だけでなく、児童文学の名作『冒険者たち』(斎藤 惇夫 作 , 薮内 正幸 画)などをとおして、そのお名前以上に作品そのものが知られた画家です。動物が大好きで、そのありあまる愛情が紙上へと注がれた作品群は今も多くの人を魅了しています。
企画展では、薮内作品と一緒に、そこに登場する動物たちのはく製が多数展示されています。学術資料としてのはく製と、その動物が生きる姿や躍動感を表す生態画の役割の違いがよくわかります。ちょっとお恥ずかしいのですが、秋山学芸員の素人生態画も展示されています。

左が秋山学芸員の作品、右は鳥類画家である神戸宇孝さんの作品

鉛筆画でも、線画でも、水彩画でも、その動物の魅力を最大限に引き出す薮内作品の数々をぜひご覧いただきたいと思います。神奈川県立生命の星・地球博物館は箱根登山線の入生田(いりうだ)駅を降りてすぐの場所にあります。企画展は5月12日までです。
(生物担当学芸員)

※写真はすべて神奈川県立生命の星・地球博物館提供

【博物館再開のお知らせ】相模原市立博物館は館内エレベーターの改修工事のため、令和6年2月29日まで休館しておりましたが、3月1日から通常どおり開館しています。3月のイベント情報など、詳しくはこちらをご覧ください。

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