地質調査日誌7/10 道志村室久保川

7月10日水曜日。晴れ。

関東地方の梅雨も明けて、連日30度を超える暑い日が続く中、野外調査に出かけました。昨日は昨年も訪れた道志川の支流、室久保川に出かけました。

普段は長靴を履いて川沿いの調査を行いますが、夏場は靴のまま川に入って調査をします。写真は滝の上で撮ったもので、滝上のギリギリのところを歩いているように見えますが、実際には距離があるので、それほど危険ではありません。

上の写真ではわかりにくいのですが、河床の岩盤には地元で「的様」と呼ばれている“的”の様な模様があります。昨年よりも川の水量が少なかったので、ハッキリと模様が見えます。

“的”の周囲は閃緑岩のなかまです。

「的様」は周囲の閃緑岩をつくったマグマと“的”の白い部分を作ったマグマが完全に混じらずにできた模様です。マーブルケーキのマーブル模様のようなものです。

「的様」から下流に向かって調査をしました。

転石には、地元で「イボ石」と呼ばれている接触変成岩がありました。

“イボ”の部分は変成作用によりできた鉱物です。

川沿いはほとんど日陰で、川の水も気持ちよく、熱射病の心配もなく快適に調査をすることができました。

(地質担当学芸員 河尻)

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