【10/13まで】茅ヶ崎市博物館で相模原市の指定文化財をみよう!

現在、茅ヶ崎市博物館では特別展「古代高座(たかくら)~1300年の眠りからの目覚め~」が開催されており、相模原市の指定文化財3件を含む合計41点の考古資料が展示されています。

 

指定文化財3件について簡単に解説します。
田名坂上遺跡出土の三彩小壺(さんさいこつぼ)、奈良・平安時代
奈良三彩(さんさい)とも呼ばれ、釉(うわぐすり)を3種類、すなわり緑釉(りょくゆう)、白釉(はくゆう)、褐釉(かつゆう)なので、「三彩」です。東国では出土例が少なく、お寺、役所から出土する場合が多いのですが、田名坂上遺跡ではそのような施設跡はみつかっていません。

 

田名半在家遺跡G地点出土の龍文鏡(りゅうもんきょう)、平安時代
住居址から出土しており、鏡全体のうち下部分です。鏡は儀礼の道具と考えられており、8世紀に中国で製作されたものが、10世紀の住居址からみつかりました。作られた年代と鏡が見つかった住居址の年代に時間差があることから、神聖なものとして、代々大切に受け継がれたのではないかと考えられます。

 

指定文化財:苦久保遺跡第3地点の朱書土器(しゅしょどき)、平安時代
大変見にくいのですが、赤い朱で「大」と書き入れられております。土器に字が書かれたものは「墨書」土器と呼ばれ、朱で行うものは大変珍しいものです。

いずれも市内の奈良・平安時代を考える上で大変重要なものです。
上記の指定文化財以外にも、墨書のある土器が多く展示されていますので、この機会にぜひご覧ください。

茅ヶ崎市博物館の特別展⇒https://chigamu.jp/event/detail/139/

(考古担当学芸員)

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