炎上する大スギ

8/11の14時45分頃の落雷により炎上、焼失した津久井城址城山の大スギの、炎上中の写真を掲載します。この写真は消防団員でもある市職員が現地で撮影したものです。すでに新聞などに提供されているため、このブログに掲載するかどうか迷ったのですが、落雷による巨木の炎上中の写真は非常に貴重な記録です。また、新聞報道も地域版がほとんどですし、ここに改めて掲載する意義は大きいと判断しました。

上の写真は16時25分の撮影で、まだ上部が残っている状態です。下は、上部がすでに燃え落ちている写真で、17時04分の撮影です。

浸食されて洞状になった内部に火が入り、生きていた樹皮側を残して釜と煙突のような状態で燃えていたことがわかります。現場が山頂近くの稜線上で消火栓などもちろん無く、雷雲により消防ヘリも飛べませんでした。消防団と地元消防隊がポンプとホースをかついで懸命に登り、中継しながらようやく現場に到着したのが落雷から5時間ほど経った頃だったそうです。放水された時、すでに上半分以上が崩れ落ちていました。

私たちの身近にある巨樹・巨木の多くも、このように基部が大きな洞となり、空洞化しています。その場合、落雷に遭うと内部から燃えていき、結果、上部が崩れ落ちるように倒れる可能性があるということになります。城山の大スギは斜面側に落ちて、なおかつ雷雨により付近に登山者がいなかったため大きな被害は免れました。しかし、立地の状況によって巨樹・巨木がこうした潜在的な危険を有するということを痛感させられる結果となりました。

巨樹・巨木は地域のシンボル、あるいは心のよりどころとなり、信仰の対象ともなっています。そうした存在に文字通り大なたをふるうのは非常に難しいと思います。しかし、その潜在的な危険性を認識することの大切さを、この大スギの遺骸が訴えかけているように思えてなりません。

(生物担当学芸員 秋山)

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