今年もタンポポの花粉識別を実施中

8月2日(土)、実習実験室でなにやら真剣なまなざしで顕微鏡を見ているみなさんが・・

顕微鏡を真剣にのぞいています

これは、昨年に引き続いてアースウォッチジャパンの「日本固有のタンポポ全国調査」に当館が協力する中で、そのバックヤードプログラムとして全国から集められたタンポポを、花粉で識別するボランティアのみなさんの作業の様子です。

作業を行う前のレクチャー(横浜国立大学の倉田教授)

ひさしぶりに顕微鏡を触った、という方も多く、はじめはピント合わせなどの操作に戸惑っている様子でしたが、しだいに慣れてきて作業もはかどります。
集まっているタンポポの花は、「2倍体の在来種」という判断で採集されたものですが、この写真のように花粉の粒の大きさがそろっていないものは、在来種と外来種の雑種です。

雑種の花粉 粒の大きさが不ぞろいなものが多く見られます

もちろん、在来種と判断できたものも多数ありましたが、市民調査で外見上、在来種と判断されたものの中にかなりの割合で雑種が含まれている可能性があることがわかります。この結果は改めて、今年中に発表したいと考えています。
中には、訪花昆虫がつけてきたものでしょう、まったく違う花の花粉が混じっていることもあります。こちらは、アカバナ科の花の花粉です。消波ブロック(いわゆるテトラポット)のような形をしていますね。

特徴的な形のアカバナ科の花の花粉

猛暑の中でしたが、室内でじっくり集中して作業する時間が意外と楽しかったようです。あと2回ほど実施して、集まった300個以上のタンポポの花の識別を行う予定です。
(生物担当学芸員)

※ボランティアの募集はすでに締め切られています

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