現在開催中の企画展「相模原市立博物館 30年の歩みを未来へ」の展示物から、地質分野はボーリングコアを紹介します。
高い建物を建てるときなどには、地下の地質を調べるためにボーリング調査を行います。ボーリング調査は地面にパイプを打ち込み、中に詰まった岩石や地層を採集して調べる方法です。このとき、パイプの中に詰まった岩石や地層のことをボーリングコアと呼びます。
今回展示したのは、相模原市立博物館を建設した時のボーリングコアです。ボーリングコアを1 mごとに切って、箱に入れてあります。ボーリングコアの左右の枠に地表面からの深さがメートル単位で書いてあります。
ふたを開けて展示してあるのは、地表から深さ15〜20メートルのボーリングコアです。よく見ると、この箱の手前から2本目(18〜19メートル)のボーリングコアの途中で地層が変わっています。このボーリングコアから、地表から約18.5メートルまでは関東ローム層(赤土)で、それよりも深いところは礫層(2ミリ以上の石からできている層)であることがわかります。
野外で関東ローム層を見るとこんな感じです。
礫層はこんな感じです。
関東ローム層と礫層の境界部分です。写真の半分より下が礫層、上が関東ローム層です。
ボーリングコアは深さ方向の地質がどのようになっているのかを知ることはできますが、横方向にどのように連続しているのかはわかりません。また、見慣れていないとわかりにくく、崖に露出している地層と見比べてみることが欠かせません。ボーリングコアからわかる情報だけではなく、広い範囲の地質について知る必要があります。
(地質担当学芸員)