9月12日から15日まで、札幌市の北海学園大学などを会場に行われた日本鳥学会に、当館学芸員が参加しました。また、ポスターセッションにおいて、当館のフクロウ食性分析グループが行っている調査結果を、協働で実施している公益財団法人日本鳥類保護連盟の職員と連名で発表しました。タイトルは「巣箱で営巣したフクロウの餌内容について」です。

コアタイムでは、多くの方とディスカッションができました(発表者は日本鳥類保護連盟の職員)
フクロウ食性分析グループは、当館を拠点に活動する「さがみホネホネ団」の分科活動として実施しています。この活動では、日本鳥類保護連盟が全国に設置しているフクロウの巣箱の、繁殖後の残渣物を回収、グループメンバーが動物の骨や羽根といった餌動物の痕跡を拾い出し、種類や数を割り出しています。今回の発表では、巣箱の設置場所の環境により餌動物が哺乳類から鳥類、両生類と多岐にわたり、その比率も大きく異なることが示され、多くの方の関心を呼びました。分析作業は博物館の市民グループの活動として今後も継続するので、今回の発表が活動のモチベーションを高めてくれることでしょう。
そして、せっかくの北海道なので、学会の合間に野鳥観察へ出かけました。やっぱり、北海道と言えばシマエナガです。

シマエナガ 10数羽の群を長い時間観察できました
じつは、本州のエナガ(シマエナガとは亜種関係)は都市化した野鳥のひとつに数えられるくらい、街中の公園などでも1年を通してよく見られる鳥です。しかし、北海道のシマエナガは都市化していないため、それほど手軽に見られる野鳥ではありません。

小さくて動きが激しいため、撮影しにくいのは本州のエナガと同じです
今回も、広大な森林公園を歩き回って、運よく2回ほど群れに遭遇できた程度です。北海道の地元でも見たことない人が多い鳥です。
こうした遠い地域の自然に触れられるのも、学会参加の楽しみの一つです。
(生物担当学芸員)