博物館お隣の樹林地にはヌルデの木がぽつりぽつりとあります。ヌルデはウルシの仲間なので、晩秋に見事な紅葉を見せてくれます。初秋のこの時期は、花の季節。小さいな花が房状にたくさん咲きます。

ヌルデの花
拡大すると、白い花がしっかりと咲いているのがわかります。

ヌルデの花の拡大
ところで、葉のところどころに、不思議なものがついていました。色といい、質感といい、かなり違和感があります。

ヌルデミミフシ(ピンク色の部分)
これは、いわゆる「虫こぶ(虫えい、またはゴールGallとも呼びます」の一種です。虫こぶはいろいろな植物に見られ、主にハエやアブラムシの仲間の幼虫が中で成長します。虫たちがどのようにこうしたこぶ状のもの(多くは異常増殖した植物細胞)を作るのか、じつはよくわかっていないことも多いのですが、ヌルデの葉にできたこの虫こぶは、ヌルデミミフシと名付けられ、中にいる虫はヌルデシロアブラムシとされています。それにしても、なぜこんな目立つ色と形をしているのか、謎ですね。
(生物担当学芸員)