現在開催中の企画展「相模原市立博物館 30年の歩みを未来へ」の展示物から、考古分野はイチ押し資料として「縄文土器」を紹介します。
展示中の土器は、「勝坂式土器」と「加曽利E式・曽利式土器」の2つのグループに分かれます。

勝坂式土器 約5,000年前のものです。
注目してほしいのは、真ん中の口の部分に輪がついている土器。
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チラシにも掲載している土器です。
アップにしてみましょう。
縄文すなわち「縄を転がした文様」がありません。縄文土器なのに。
特徴的なのは粘土紐を貼りつけて、そこを突き刺して文様としています。
また、加曽利E式・曽利式はこちら。

今から約4,700年前、加曽利E式(左・中央)、曽利式土器(右)です。
真ん中の小ぶりな土器を除くと、縄文がつけられ、なにやら渦巻のようなものもあります。中央の土器を拡大してみます。

縄文が左下がりに見えます。渦巻もしっかりありますね。
これは縄文ですね。繊維などを縄にしてそれを転がして、文様としています。
相模原の遺跡は縄文時代が多く、市内の色々な場所で縄文土器が出土しています。今回の展示中の土器は、その中から6点を選抜したもので優品ばかりです。

大きさ、形、すべてが違います。
縄文土器は当時の人々が作り、使用したものです。同じものはなくすべてが唯一無二です。縄文土器の形やその文様など、縄文人の造形をぜひ間近でご覧ください!
(考古担当学芸員)