自然観察を授業に 先生たちの研修会

今日午後、市内の小学校の先生方が集まり、研修会が行われました。総合学習センターが主催する生活科の技能研修講座です。博物館では、自然観察を授業の中に取り入れるための考え方や実践的な技術について学んでいただきました。

まず、室内で自然観察の考え方についてお話をした後、野外で実際に、先生方にクイズ、またはゲーム形式の自然観察プログラムを考えてもらいます。ネタとなるポイントを事前に説明しているようすです。

知識を要求されるような設問やプログラムを避けることと、お互いにいろいろな発想や表現を楽しむことが、自然観察の本質です。樹林の中に立ち、「この中から、○○を探してください」という設問で、一つのグループはこの葉っぱを「アヒルの足」と表現しました。「水かきつき」という補足も。すばらしい発想ですね。

また、「トゲトゲの赤いボールを探してください」という問いの答えはこれ。

地面にクローズアップしないと見つけられないお題。見方、クローズアップの仕方を提案するという自然観察の基本がしっかりおさえられています。また、「動物のしっぽをみつけてください」という問いで、私の方から「一つのものを正解にするのではなく、それぞれが見つけたものについて、それはなんの動物ですか?と尋ねましょう。」とアドバイスしました。すると、秀逸な答えが。

ブタのしっぽだそうです!すばらしい!出題側の想定外の答えでした。

私も改めて自然観察のおもしろさを実感し、新しいネタをいただくことができました。

アヒルの足がトウカエデということも、トゲトゲの赤いボールがヤブヘビイチゴということも、ブタのしっぽがクズの新芽だということも、ここではそんな種名を使わなくてもじゅうぶん自然観察が成立しました。

このほかにも、色や大きさなどいろいろなネタを使って問題を考えていただきました。こちらも勉強になった研修会でした。

(生物担当学芸員 秋山)

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