今年も見損ねたジグモのバルーニング

先日、このようなものを発見しました。

何の糸?


一見なんの変哲もない「クモか毛虫が出した糸」に見えますが、春先である事と、執拗に何度も重ねられたように見える外見等から、どうやらジグモの幼体がバルーニングをした痕跡だと推測されます。
「バルーニング」というのはクモが糸を空中に吹き流し、その糸にぶら下がったまま上昇気流に乗って空中を移動する行動を指します。そう、気球(バルーン)に乗るようにして空を飛ぶのです。
春先にジグモの幼体が、このバルーニングで拡散する行動はよく知られていて、私も二度だけ見たことがありますが、小くて頭でっかちのクモが右往左往しながら高いところに上がっていって、次々飛び立つ様は、見ていて飽きません。
ぜひ写真を撮りたいと思っているのですが、残念ながらカメラを持ち歩くようになってからは出くわすことがなく、このシーズンになるとかなり気をつけているのに、いつも空振りでがっかりしています。
今年は、痕跡に出会えたのでニアミスです全く気付かなかったよりましですが、よけいに悔しくもあります。そういえば前日は気温も高くて風も穏やかで、絶好の条件が揃っていました。今更気が付いても後の祭りですが。
それでも近くに他の個体群がいないか確認しながら歩いていると、別な種類のクモがいくつかいました。

マネキグモ


いつ見ても見事な擬態のマネキグモ。既にこのサイズという事は幼体で越冬したのでしょう。

マルゴミグモ


マルゴミグモ。水平円網の上に乗っかっている変なやつ。温暖化の影響で分布拡大しているという割には、こんな春先にしっかりと活動しています。

ギンメッキゴミグモ


ギンメッキゴミグモ。雑木林の定番ですが、庭先にも表れる銀色にきらきら輝くクモです。

今日は冷たい雨が雪に変わり、冬のような日ですが、生き物は一気に春へと向かっているようです。

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昆虫たちも動き始めています!

3月12日、資料調査のついでに寄った県西部の丘陵地では、ビロードツリアブが早くも活動していました。

ビロードツリアブ

といっても、すぐに日向の落ち葉の上で体を温めながらの活動、という感じでした。
テングチョウはもともとこの時期に越冬個体が元気に活動します。ボロボロの翅(はね)もなんのその、と飛び回っていました。

テングチョウ

植物も、モミジイチゴが咲き始めていて・・

モミジイチゴ

キブシは花穂の半分くらいまで咲き進んでいます。

キブシ

相模原とは反対側から見た丹沢南部、大山の景観です。

渋沢丘陵から見た大山

相模原より若干早い季節の動きですが、まもなく相模原市内でも同じように春が進むことでしょう。

※博物館は3月31日(火)まで臨時休館のため、考古企画展は4月1日(水)から開催の予定です(3月12日現在)。

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休館中の博物館(標本整理と企画展準備)

休館中の博物館では、例えばこんな事もやっています。

クジャクチョウ(市外産です)。


寄贈いただいた標本の整理作業です。
1点ずつ確認して目録を作り「博物館資料」として収蔵庫で大切に保存します。中には1950年代の標本などもあり、貴重なデータが日々蓄積されていきます。

パソコンは必須の道具


意外に知られていない、博物館の大切な仕事の一つです。

一方、展示に関わる仕事も進行中です。
考古企画展「真・津久井城展 ~戦国の世に黄金を生む城~」の展示準備は着々と進んでいます。

資料をどう効果的に見せるか、腕の見せ所です。

ウォールケースの中でも作業中


予定通りの大詰めです。

これ、何でしょう。ちょっと考古学の展示っぽくないですね。

これはなんでしょう?


答えは…まだお楽しみにとっておきます。
企画展が始まったら、ぜひ確かめに来てください。

※博物館は3月31日(火)まで臨時休館のため、考古企画展は4月1日(水)から開催の予定です(3月12日現在)。

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カザグルマの移植

3月7日、市内緑区のある地区に、「相模原のカザグルマを守る会」のメンバーが訪れました。

カザグルマの株を掘り取る「守る会」のみなさん

ここは、リニア中央新幹線の建設予定地となっていて、この数年のうちにリニア本線建設のために一帯が10メートルほどかさ上げされる場所です。ここで相模原産の絶滅危惧植物、カザグルマ(キンポウゲ科)を増殖してくださっていた方の家も立ち退くことになり、移植作業のために集まったのです。
大切に掘り取った株をもとの自生地へと運び、移植します。

斜面地へ株を移植します

自生地はもともとあった親株以外に生育が確認できず、消滅の可能性が極めて高いため、増殖した株を植え戻しているのです。

つるをまわりのササへ結びつけます

かつてこの場所は、花の季節には遠目に見ても大輪の花が咲き乱れるのが見えたというほど、たくさんのカザグルマがあったそうです。
そこまでになるには長い年月と環境整備が必要になりますが、少しでも多くの株が生き残るように、慎重に植え付けました。
博物館にも数株持ち帰り、中庭に植えました。

博物館の中庭のコナラに巻き付けました

すでに植えてあった株と共に、ゴールデンウィーク前くらいに咲き始めるでしょうか。下の写真は、昨年の自生地での開花のようすです。

昨年の自生地での開花のようす

自生地でも根付くことを願いながら、花の季節を待ちたいと思います。

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啓蟄

3月5日は二十四節気の啓蟄(けいちつ)です。冬籠(ふゆごも)りの虫が這(は)い出るという意味で、虫とは昆虫だけでなく、カエルやトカゲなどいろいろな生き物を含むとされています。

産卵場所へ向かうアズマヒキガエル(過去の写真)

上のアズマヒキガエルの写真は過去に市内中央区で撮影したものです。例年、この場所はちょうど啓蟄から次の節気の春分の間くらいに産卵するのですが、今年は春の進行が早く、一昨日訪れた時にはすでに産卵から1週間程度経ったところでした。

アズマヒキガエルの卵紐(らんちゅう)

卵はすでに発生がかなり進行して、尾芽胚期(びがはいき)と呼ばれる状態でした。

いわゆる「だるま胚」と呼ばれる尾芽胚期の卵

急ピッチで春が進んでいるので、今年は春の花も生き物も、早めに確認しないと時期を逃してしまいそうです。

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相模原市立博物館は3月15日まで臨時休館となります

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、相模原市立博物館は3月3日~3月15日まで臨時休館となります(3月16日は通常の休館日)。ご理解とご協力をお願いいたします。当面のイベントの情報等についてはこちらをご覧下さい。なお、3月17日以降については今後の状況により変更になる場合がありますので、最新の状況、予定については博物館ホームページでご確認をお願いします。

さて、博物館の駐車場周辺は少しずつ春が進んでいます。タチツボスミレが咲き始めました。

タチツボスミレ

また、お隣の樹林地ではショカッサイがたくさん咲いています。

ショカッサイ

博物館は休館中ですが、開館できるようになったらすぐにオープンできるように、考古分野の企画展の準備を進めています。
職員は出勤しており、お問い合わせなどの電話対応も通常どおり行っております。

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企画展の準備

博物館は、現在臨時休館中ですが次回企画展「津久井城跡市民協働調査10周年記念 真・津久井城展 ~戦国の世に黄金を生む城~」の準備が進んでいます。
昨日は、学芸班総出で、特別展示室のレイアウト変更を行いました。
展示物を並べる前に、パーティション(可動式の壁)や展示ケースの移動という肉体労働が欠かせません。
今回は少し臨場感を感じていただくため、写真ではなく動画(各10秒程度)でお見せします。

 


現時点では3月16日(月)まで休館の予定ですが、一刻も早く状況が改善し、来館者をお迎えできるように準備を進めています。

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市民学芸員かわら版第4号「帰ってきた冬の使者」を掲示中!

博物館の中に、市民学芸員によるかわら版が掲示されている場所があるのをご存じでしょうか。
場所は1階のベンチのあるコーナーです。
かわら版の内容は二ヶ月ごとに更新されており、現在は第4号が掲示中です。
今回のテーマは「帰ってきた冬の使者」
この時期に市内で見られる鳥と、おすすめスポットを紹介しています。

博物館へお越しの際は、ぜひこちらもご覧ください!

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アズマイチゲと40年の歳月

2月29日、市内南区と大和市の境にある境川の斜面緑地に集う人々がいました。
今から40年ちょっと前のこの場所でアズマイチゲを発見した、県立上鶴間高校生物部のOBたちと、当時の顧問の先生です。

アズマイチゲの群落を囲んで談笑する上鶴間高校OBのみなさんたち

今は、地元のNPO法人境川の斜面緑地を守る会が管理・整備を行い、保全している場所です。上鶴間高校生物部と守る会に直接のつながりはなく、それぞれにこの場所の貴重な生きものを発見し、保全への熱い思いを抱きながら見守ってきました。それがこの日、いくつかの偶然と必然が絡み合った結果、現地を訪れた生物部OBのみなさんを、守る会の創立メンバーが案内することになったのです。
折しもアズマイチゲが例年よりだいぶ早く開花のピークを迎えていました。

アズマイチゲ

ヒメウズやジロボウエンゴサクも早春の木もれびの中、開花しています。

ヒメウズ

ジロボウエンゴサク

遠くは岡山県から駆けつけたOBの方もいて、いとおしそうにアズマイチゲの花を見つめていました。
40年以上も遡る発見のいきさつと、そこに関わる方々がつながったのも、発見時の標本が採集データと共にしっかりと残されていたからです。
生物標本を残すということは、その生物の存在だけでなく、関わる人間の歴史も残すものなのだということを改めて感じました。

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クサグモ現る(2020)

今朝、歩いていると視界の隅にキラキラ光るものが映りました。

クサグモの網。朝日を浴びて光っています。


クサグモの網です。

クサグモ幼体


このクモは卵で越冬するので、今年生まれた個体です。街中でも普通に見られ、春先に真っ先に姿を現す生き物のひとつです。2月中に出現を確認したのは、ちょっと早い気もします。

アップで。半分隠れています。


むやみに接近すると、さっと隠れてしまうので、そーっとカメラを近づけます。体長は1-1.5mm程度。これが夏頃には1.5cm位になるのですから、驚異的な成長スピードです。

寒い日が続く中で、生き物が動き出すのを見つけると、いつも楽しくなります。
春は着々と近づいています。

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