【開催中!】市史ミニ展示 相模原市誕生から70年、あの頃の風景と世相

【年末年始休館のお知らせ】相模原市立博物館は12/28(土)~1/3(金)まで休館となります。

現在、当館の自然・歴史展示室内で市史ミニ展示を行っています。

今年度が市制施行70周年であることから、今回は70年前の風景、世相をテーマとしました。70年前の風景を写真パネルで紹介しつつ、当館に所蔵されている鈴木重光(しげみつ)コレクションから展示資料を選定しています。

鈴木重光(1887~1967)は旧津久井郡内郷村に生まれた民俗学者・郷土史家です。
民俗学者の柳田国男とも親交が深く、多くの著作を残しています。
当館では鈴木重光が集めた資料約8万点を収蔵しています。

展示風景

橋本駅に到着するSL1956(昭和31)年

三越の特売会の案内

この展示は、自然・歴史展示室内にて2月2日まで開催しています。
年始のご来館の際にはぜひご覧ください。
(展示担当学芸員)

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クズクビボソハムシ

【年末年始休館のお知らせ】相模原市立博物館は12/28(土)~1/3(金)まで休館となります。

もう2週間ほど経ってしまったのですが、市内の幹線道路沿いで、ボロボロになった植物を見つけました。

道路沿いに…

どこにでもある植物のクズですが、葉っぱがボロボロになっているのです。
普通の葉っぱと比べると一目瞭然です。

ボロボロの葉っぱ

普通の葉っぱ

これは、外来種のクズクビボソハムシという昆虫の食べあとです。
葉っぱをめくると…いました。

寒そうにじっとしています

この虫はコウチュウ目のハムシ科というグループに属しています。ハムシ=葉虫の名のとおり、植物の葉を食べ、なかでもこの種はクズのみを食べます。
実はこの虫は、ここのところ分布が拡大傾向にあるといわれています。
同じ市内でも館の周辺のクズの葉にはまだ食べあとがないので、市内にもこの虫がいるところといないところがあるようです。
この虫がいるところでは、クズの葉が冒頭の写真のように見るも無残な姿に食べられてしまいます。そのため、この虫がいるかいないかはすぐにわかります。
ぜひお近くのクズの葉をチェックしてみてください。
(動物担当学芸員)

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小さな鳥、大きな鳥

【年末年始休館のお知らせ】相模原市立博物館は12/28(土)~1/3(金)まで休館となります。

真冬らしい天候が続いています。早いものでもう年末。相模原市立博物館の今年の開館も、今日(12月26日)を含めてあと2日となりました。博物館周辺でも冬鳥がやってきています。中でも、国内最小クラスの鳥が冬越しをします。こちらはミソサザイです。

ミソサザイ(市外で撮影)

基本的にやぶの中で生活するため、めったに明るい場所へ出ません。上の写真はたまたま開けた場所へ出てきたところですが、すぐにまたヤブの中へ潜っていきました。
こちらも図鑑などで国内最小と書かれることの多い、キクイタダキです。込み入った枝の中を動き回るので、なかなか撮影できない鳥でもあります。

キクイタダキ(市外で撮影)

鳥というより、セミのような大きめの虫が動き回っているようにも見えます。キクイタダキは、年によって市内で多く見られる年と、ほとんど目にしない年があります、今年はどうでしょうか。
小さな鳥ばかりではありません、冬は大きな鳥もやってきます。こちらはコハクチョウです。

コハクチョウ(2013年に市内緑区の相模川で撮影)

数年に1度程度、市内の相模川へもやってきますが、定期的な越冬地は県内にはありません。大きい上に純白なので、飛んだ時などとても大きく見えます。
そしてこちらはとても珍しい飛来記録になりますが、2017年に市内緑区へ飛来したナベヅル(若鳥)です。

ナベヅル(2017年に市内緑区で撮影)

この時は約3か月間にわたって滞在し、大きな話題になりました。
他にも、西日本で野生復帰したコウノトリが飛来することもあり、冬場は特にこうした大きな鳥の飛来が期待できます。今年はどんな冬鳥の話題が持ちあがるのか、楽しみに待ちたいと思います。
(生物担当学芸員)

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【甲州道中歴史講座】第3回「建築史からみた本陣建物」を開催しました。

12月22日(日)、甲州道中歴史講座第3回「建築史からみた本陣建物」を開催しました。本講座は、江戸時代に徳川幕府のもと整備された五街道の一つ・甲州道中において、各都県で唯一の現存本陣建物を有する相模原市と日野市の共催により実施しているものです。連携事業では本講座のほか、日野市立新選組のふるさと歴史館の特別展「甲州道中日野宿と本陣」(令和7年1月26日(日)まで)を開催していますので、いずれもお楽しみいただければと思います。

相模原市×日野市 甲州道中本陣連携事業

第3回目となる甲州道中歴史講座は「建築史からみた本陣建物」と題し、東京工芸大学教授で本市の文化財保護審議委員でもある海老澤模奈人(えびさわ もなど)先生を講師にお招きしました。各市の宿場と本陣に注目した第1回第2回からテーマがガラっと変わり、今回は建築史や建物の類型(building type)の視座に立ったお話です。

講師を務めてくださった海老澤先生

郷土史がメインの前回までよりも専門性が高い内容ではありましたが、導入として本陣や五街道と甲州道中の定義、文化財としての本陣建物、日本における代表的な住宅形式の紹介があり、とてもわかりやすく解説いただきました。

講座の後半では、平面図の構成や屋根(建物)の構造による分類研究、空間の使途などの視点から、小原宿本陣・日野宿本陣についてお話しいただきました。海老澤先生が実際に両本陣を訪ねて撮影された多くの写真を用いた丁寧な解説に、参加された皆さまもじっくりと聴き入っている様子でした。

たくさんの方にお越しいただきました!

今回は年の瀬の開催にもかかわらず、50名以上の方にお越しいただきました。ありがたいことに、前回から引き続きご参加いただいた方や、当館歴史担当学芸員が講師派遣の際にお知らせしたことで興味を持ち、このたびお越しくださった方もいらっしゃいました。たくさんの方が甲州道中を主とした地域の歴史に関心を寄せてくださり、大変嬉しく思います。

本年10月から連続講演会形式で行ってきた甲州道中歴史講座は、令和7年1月19日(日)に開催する次回で最後となります。第4回目は「江戸幕府の五街道政策と甲州道中」のテーマで、講師に国文学研究資料館のプロジェクト研究員 菅原 一(すがはら はじめ)さんをお迎えします。最終回もぜひお越しいただきたいと思います。

(歴史担当学芸員)

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鈍色の鳥

12月18日、博物館お隣の樹林地を歩いていたら、クロジのオスに出会いました。

クロジ(オス)

クロジは、博物館周辺では冬鳥です。かつては丹沢の高標高地で繁殖していましたが、近年は繁殖数が激減しています。クロジが繁殖地として好むのは、下草がササ(スズダケなど)に覆われたブナ林のような樹林地です。繁殖数の減少は、シカの増加によりササ群落が衰退するなどしたことが原因とされています。
さて、そんなクロジですが、冬鳥としては安定して見られます。ただ、常にヤブの中を潜伏して暮らしているため、なかなかその姿をはっきりと見る機会がありません。この時は近くの水場へやってくる途中だったのか、しっかり姿を見せてくれました。

クロジ(オス)

この色、他の鳥にはなかなか無い色合いです。色名としては鈍色(にびいろ)でしょうか。とても渋みのある美しさですね。ちなみにメスや幼鳥にはこの色はありません。
ヤブの中で暮らしていてあまり見る機会の無い鳥といえば、こちらも出てきてくれました。ウグイスです。

ウグイス

水浴びをした直後なのか、羽を膨らませてちょっとリラックスした雰囲気でした。こちらの羽色は、まさしく鶯色(うぐいすいろ)です。鶯色というと、緑がかった色と誤解されがちですが、日本の伝統色の鶯色は、ちゃんとウグイスそのものの灰褐色です。その誤解についてはまた機会を改めて紹介したいと思います。
(生物担当学芸員)

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「自然の素材でクリスマスリースをつくろう!」を実施しました!

12月14日、生ききものミニサロンを実施しました。12月のテーマは毎年の恒例、「自然の素材でクリスマスリースをつくろう」です。リースの台となるクズのつるは、博物館お隣の樹林地内から採集し、デコレーションの素材は相模原植物調査会のみなさんが市内各地から集めてきてくれたものです。

相模原植物調査会のみなさんが集めてくれたデコレーション素材

まず、台のつくり方を説明します。

クズのつるを丸めて組んでいきます

台ができたら、好きな素材をデコレーションしていきます。

デコレーション開始!

思い思いに作っていただいたので、みなさんそれぞれ個性があります。

豪華!

姉妹で参加してくれました!

それぞれのこだわりが光ります

リピーターさん同士で記念写真。

手慣れた手つきでつくってくれました

毎年参加してくれる方も多く、わいわい楽しく作り上げました。

自然に溶け込むリースです

次回の生きものミニサロンは、1月18日(土)に実施します。お楽しみに!
(生物担当学芸員)

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【予告】今年も実施!クリスマスリースづくり

12月14日(土)、今年も恒例となりました生きものミニサロン「自然の素材だけでクリスマスリースをつくろう」を実施します。写真は昨年の様子です。

昨年の様子

こちらで準備したクズのつるを台にして、さまざまな自然素材をデコレーションします。素材のほとんどは、当館の植物専門ボランティアグループの相模原植物調査会のみなさんが集めてくれました。

きらびやかではないけど、素朴な味わいのあるリースができます

実施は12時から12時30分まで、先着20名様となります。
今年も相模原植物調査会のみなさんから続々と素材が届いています。

出番を待つ素材

調査会のみなさんは、市域のどこにどんな植物が生えているか、たくさんの情報を持っています。この季節に採集できる素材を調達してくれたり、中には遠方からわざわざ真っ赤な果実を送ってくれた方もいます。

ツルシキミの果実

昨年、玄関にリースを吊るしていたら、素材に使っていた果実を野鳥が食べに来ていた!と教えてくれた参加者もいます。そんなハプニングも楽しみなリース作りです。ご希望の方は12時までに、エントランスへ集合してください。
(生物担当学芸員)

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初冬の河原

先月のブログでお伝えしたカワラハハコが、そろそろ種子が実っているころかと思い、相模川の河原を歩いてきました。無事に採種できたので、もともとあった大群落の近くにも少し撒(ま)いてきました。
カワラノギクもたくさん実っていました。

こちらはカワラノギクの綿ぼうし

実っているといえば、樹木のイイギリが真っ赤に実っていました。いかにも鳥が食べそうですが、真冬まで食べ残されていることが多い木です。

イイギリの果実

こちらも真っ赤な、マユミの果実です。

マユミの果実

赤い鳥もいました。ヤブの中からなかなか出てこなかったので、かくれんぼしているような写真ですが、ベニマシコです。

ベニマシコ(オス)

すぐ近くにジョウビタキもいて、ヤブの中でどっちが鮮やかな色合いか、競っているようでした。

ジョウビタキ(オス)

河原の中に入江状に入り込んだ水路の近くに来たら、ちゃぽんちゃぽんと音がします。水の中をよく見ると、無数のオイカワがいました。

オイカワ

どうやら、ユスリカが水面上で大量に飛んでいるので、それを食べるために飛び上がっているようです。

水面に飛び出たところ

上空には、青空をバックに気持ちよさそうにノスリが飛んでいました。

ノスリ

冬らしい気温と乾いた空気が心地よい河原歩きでした。
(生物担当学芸員)

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雪虫飛ぶ

12月初旬になって、やっと雪虫が飛ぶようになりました。

飛ぶ雪虫

雪虫とは、アブラムシの仲間の成虫のうち、翅(はね)を持ち、白い蝋(ろう)状の分泌物を体にまとったものの総称です。フワフワと飛ぶその姿を雪に見立てたとも、北方では初雪の頃に飛ぶからとも言われています。
関東地方では、上の写真のタイプの毛の長い雪虫は例年、11月下旬に出ます。今年は晩秋まで気温が高かったせいか、1週間から10日ほど遅く出てきました、

毛の長いタイプの雪虫

じつは、11月初旬に飛ぶ雪虫もいて、そちらは白い部分が短めなので、ちょっと雪虫と表現するには物足りない気がします。

毛が短いタイプの雪虫

どちらも異なる種類だと思われますが、アブラムシ類の分類は不明の点が多く、種類までは特定できません。もしかしたら、どちらのタイプの雪虫にも複数の種類が含まれているかもしれません。
博物館の前庭の紅葉がピークを迎えています。風ではらはらと落ちる葉も美しく、西日が差すといっそう輝きます。

博物館前庭の紅葉

ちょっとフォトジェニックな(写真映えする)風景です!まもなくこんな色合いも消えてゆくはずなので、この週末ご来館の方は、ぜひ目に焼き付けて、あるいはスマホなどで写真を撮られてはいかがでしょうか。
(生物担当学芸員)

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紅葉まっさかり

12月に入り、朝晩が冷え込む毎日になりました。朝、通勤途中の歩道から見えるイチョウが黄金色に輝いています。

黄金色に輝くイチョウ

博物館周辺も紅葉まっさかりです。こちらは博物館とJAXAの間の直線道路です。

JAXA側はクヌギの紅葉です

博物館正面も、建物が紅葉の色に包まれています。

ケヤキ、コナラ、ミズキの紅葉

原曲のシャンソンのほか、ジャズアレンジでも世界中に愛される名曲、枯葉(Les Feuilles morte)が聴こえてきそうな風景です。

留保地の紅葉を見上げると・・

当館の建物は、外光を取り入れるためにガラス壁面が多く使われています。そのため、中からも紅葉が楽しめます。

エントランスから見た紅葉

これから日に日に枝から葉が落ちて、冬の風景に移っていくでしょう。そんな変化も楽しみたいと思います。
(生物担当学芸員)

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