令和6年度歴史分野実習~5・6日目(最終日)~ 展示設営・展示解説

皆さんこんにちは。歴史分野実習生です。
分野別実習5日目の8月29日は、展示の設営作業を行いました。

タイトルパネル作成の様子

地図の作成の様子

自分たちが作った解説パネルやキャプション、写真や地図を展示するために、印刷とカットをして、スチレンボードに貼り付けました。サイズの大きいパネルのカットはまっすぐ切るのが難しく、協力しながら作業を行いました。展示に使う備品や資料を揃えて、一日の最後に取り掛かったのは展示のセッティングです。

ケース内にパネルを仮留めしています

配置や角度などを細かく気にする必要があり、特に解説パネルをケース内の壁に固定するために、虫ピンで打ち付ける作業は難航しました。何とかパネル等の設営を乗り越え、最終日を迎えました。

最終日の8月31日は、来館者の方に向けて展示解説を行いました。事前に作成した解説のシナリオが伝わるか、来館者の方とのコミュニケーションが上手くとれるかどうか、不安が残りました。

学芸員による展示解説を見て勉強

そんな中で、自分たちの展示解説の直前に実施していた考古担当学芸員による展示解説を聞くことができました。自分たちが面白いと思う部分を伝えることが重要だと学び、展示解説の手助けになりました。

展示解説の様子

そして、実際に来館者を迎えた本番では、自分たちが伝えたいことを意識しながら展示解説しました。来館者の方も展示に興味を持って下さり、質疑応答などのコミュニケーションをとりながら展示解説を行うことができました。「初めて知った!」、「勉強になった!」といった感想をいただく一方、私たちが学ぶこともとても多かったです。

私たちの実習期間はこの日で終わりですが、制作した展示「甲州道中と明治天皇巡幸」は11月10日まで博物館で観ることができます。ぜひお越しください!

(令和6年度歴史分野実習生)

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秋色の河原

9月2日、台風が去っても雲の動きや風にその名残を感じる中、市内南区の相模川を歩きました。日差しは強烈でしたが、木陰ではなんとなく秋の気配を感じます(暦上は秋なので、気配というのも変ですが・・)。そんな季節感を強く感じさせてくれるのが、ツルボの花の、やさしい色合いです。

ツルボの花

ツルボの花茎が立ちあがってくると、秋の訪れを感じます。
こちらのガガイモは夏の終わりから咲きますが、やはり初秋の河原の印象が強い花です。

ガガイモの花

キンエノコロは、これぞ秋の河原!という色合いです。

キンエノコロ

オオブタクサの花ももうすぐ満開です。秋花粉に悩まされた昨秋を思い出してしまいました。

オオブタクサ

突然飛んできて、クズの葉の上にピタッととまったのはイチモンジセセリです。

イチモンジセセリ 触角の影がかっこいい!

このチョウは、幼虫がイネ科の葉を食べることから、田んぼにいると害虫とされてしまいます。しかし、河原にいるぶんには大きな目をしたかわいいチョウですね。
大汗をかきながらこうした秋の生きものを観察するのもなんだか不思議な気分ですが、着実に季節が動いているのを感じられました。
(生物担当学芸員)

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生物分野実習6日目(8月30日)

こんにちは!生物分野の実習生です。

今日は一日かけてミニ展示を制作しました。
まずはタイトルを確定させ、パネルの最終調整にとりかかりました。レイアウトや文章を直前まで修正し、なんとか印刷が間に合いました。
博物館の展示パネルを作る際には、印刷した紙をのり付きのスチレンボードに貼り付け、周りを裁ち落とします。まっすぐ切るのは難しく、皆慎重に作業を進めました。

各々でパネルを作ります

慎重に…

さらに、実習初日に採集して展翅(てんし)した自分たちの標本にラベルを付け、標本箱に収める作業も行いました。

平均台という道具で標本の高さを揃えます

ラベルをつけて、学術標本のかたちになりました

標本箱に収める際にはバランスの良い配置を意識し、形を崩さないように並べていきました。

標本の配置は…

多少の不格好さはありますが、標本箱に整然と並ぶ昆虫たちは私たちに達成感を与えてくれました。
今回のミニ展示にはこうして制作した私たちの標本も展示しています。ご来館の際はぜひご覧ください。

今日で生物分野の実習は終了です。
6日間で博物館の役割や業務の中での大変さ、楽しさを学ぶことができました。
ここまでのブログもみなさんお楽しみいただけましたでしょうか?
お読みいただきありがとうございました!

私たちの展示です!

(生物分野実習生)

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ウスバキトンボ

8月30日(金)から9月1日(日)まで、大雨となる予報のため尾崎咢堂記念館および吉野宿ふじやは臨時休館いたします。詳しくは当館ホームページなどでご確認ください。相模原市立博物館は本日以降、通常開館の予定です。

さて、台風接近による不安定な天候の中でしたが、8月28日に南区下溝の水路沿いを歩きました。風が穏やかになると、どこからともなくウスバキトンボが湧き上がってきました。

ウスバキトンボ

数十匹から、多いときで50匹くらいいたでしょうか。関東周辺では、8月のお盆のころから急に数が増えてくるので、「精霊とんぼ」などとも呼ばれます。
ところでこのトンボは少々不思議な移動をします。春、南西諸島などで羽化した成虫がどんどんと北上し、途中で繁殖をしながら北日本まで到達します。ところが、幼虫は冷温に弱く、少なくとも関東地方以北では越冬できずに死滅すると言われています。それでもわざわざ北海道までも北上するのはなぜなのでしょうか。まさか、温暖化によってウスバキトンボの幼虫の越冬可能な地域が広がるのを予見しているわけでもないでしょうし、不可思議な生態です。
近くでは、ジュズダマが開花していました。もう少し季節が進むと、さまざまな模様のじゅず玉が実るでしょう。

ジュズダマの花と若い果実

そして、クサギの花にはホシホウジャクが訪れていました。

クサギの花を訪れているホシホウジャク

蛾に見えませんが、ストロー状の口吻を伸ばして花の奥の蜜を吸っています。眼がこちらを見ているように見えますが、これは瞳孔ではありません。複眼の中央部分が影のように暗く見えているだけで、偽瞳孔と呼ばれるものです。この偽瞳孔のせいか、ハチドリのようにも見えます。
こうした生きものたちは、風雨の中どこに身を隠しているのでしょう。台風の進路とともにちょっと気になりますね。
(生物担当学芸員)

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民俗分野実習3日目(8月29日)

こんにちは、民俗分野実習生です。
今日は民俗資料整理ボランティアの「福の会」の方々と民俗資料の整理を行いました。

寄贈された資料がたくさん!

資料の大きさや状態、寄贈者から聞き取った使用歴など、数々の情報をカードに記しました。

この角度がいいかな?

どの資料かが一目でわかるように、全体が見える写真を撮ります。その後、写真を現像し、資料カードに貼っていきます。この資料カードがあるおかげで、スムーズに収蔵品を確認できます。

資料カード製作中…

記録が完了した資料は収蔵庫に保管されます。様々な資料が分類ごとに並べられています。

キレイに収蔵庫に並べます

寄贈から収蔵に至るまで、たくさんの工程があることを学びました。
残り3日、展示に向けての準備が本格的に始まります!
実習生の力を合わせて良い展示にしていきたいです!

(令和6年度民俗分野実習生)

 

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山梨県都留市で野外調査を行いました

こんにちは。令和6年度地質分野学芸員実習生です。

2024年8月28日に山梨県都留市で野外調査を行いました。この地域では富士山に関係する溶岩や地層が見られます。

 

こちらは太郎・次郎滝です。富士相模川泥流堆積物が見られます。この一部が相模原市まで流れてきました。市内で堆積した様子を表す復元模型が相模原市立博物館に展示されています。

 

おなん渕の滝です。綺麗な柱状節理という地質構造が見られました。

 

長慶薬師霊命水源です。富士山から流出した桂溶岩と富士相模川泥流の境界での湧水が確認できました。

 

中央自動車道富士吉田線高架下の坂道です。桂溶岩の末端の地形です。

 

富士山に由来する泥流堆積物や溶岩など様々な違いが、湧水などの地形に現れていました。街を散歩するときには地域の地形を考えながら歩くと新しい発見があるかもしれません。

(令和6年度地質分野学芸員実習生)

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令和6年度歴史分野実習~4日目~ 展示発表に向けた準備

皆さんこんにちは。歴史分野実習生です。
今日は、展示発表に向けて、解説パネルの作成や資料に添えるキャプションの校正、展示に使う写真の印刷などの準備を行いました。

解説パネル作成の様子

解説パネルの作成では、限られた字数の中で、どのようにすれば正確でわかりやすく伝えられるか、何度も修正を行い、試行錯誤しながら文章を考えました。

スキャナーを使って資料を作成している様子

やるべきことが次から次へと舞い込んできましたが、役割分担によって効率よく物事を進められるよう工夫しました。

実習最終日の8月31日は私たちの展示の公開初日でもあります。
最終日の展示公開に向けて準備も大詰めです。納得のいくものになるよう、残りの実習期間も最後まで情熱を注いで取り組みたいと思います。

(令和6年度歴史分野実習生)

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令和6年度歴史分野実習~3日目~ クイズラリー運営補助と展示発表のための資料選択

皆さんこんにちは。歴史分野実習生です。
8月25日、私たちは午前中に博物館ボランティア「市民学芸員」によるクイズラリーの運営補助を、午後は展示発表のための準備を行いました。
クイズラリーは、夏休みの終わり際ということもあり、親子連れが多く参加されていました。クイズラリーの舞台になっている常設展示をのぞいてみると、参加者の皆さん全員が真剣に取り組んでいました。クイズラリーを終わらせたお子さんが、景品を獲得して喜んでいる姿も印象的でした。

クイズラリー参加者が景品を受け取っている様子

午後の展示発表の準備ですが、こちらはなかなか苦労しました。私たちが作ろうとしている展示のテーマである「明治13年の巡幸と甲州道中」に沿うような資料を選定し、収蔵庫でそれらの内容を確認したのち、どのように展示を構成するかを話し合いました。展示の構成は、パネルの見やすさ、解説文の分かりやすさ、資料の配置など、細かいところまで考える必要があります。

資料の大きさを測っている様子

特に資料の配置は、私たちを悩ませました。大変なことは多々ありますが、これらの悩みが良い展示を作るための糧になると信じて、更に活動に力を入れていきたいです。

(令和6年度歴史分野実習生)

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生物分野実習5日目(8月27日)

こんにちは!生物分野の実習生です。
土曜日の生きものミニサロンも無事に終わり、今日はミニ展示の準備にとりかかりました。
まずは収蔵庫に行き、展示で使用する資料を選びました。
今回は、寄贈されたチョウの標本を中心としてミニ展示を作ります。

展示する箱を選びます!

資料を選んだ後は、展示のレイアウトやパネルの内容をじっくり話し合いました。
多くの人に伝わる展示を目指して文章を書くなかで、標本を収集し保存する意義について改めて考えさせられました。
時間をかけて推敲しましたが、まだまだ改善の余地があります。

たっぷり話し合い…

今日は座って行う作業が多かったですが、館内に突如現れたアシダカグモを観察したり、休憩時間にミュージアムショップを見に行ったりして、気分転換しながら実習に取り組みました。
実習生同士の仲も一層深まったように思います。

自分たちで作った標本も展示予定!

実習も残り1日!最後まで走り抜けます!!
(生物分野実習生)

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令和6年度歴史分野実習~2日目~ 資料整理の実務

皆さんこんにちは。歴史分野実習生です。
実習2日目の8月18日は、寄贈資料の整理を行いました。この整理作業は想像よりもはるかに大変なものでした。
特に大変だったのは、仕分ける資料の量が膨大なことです。

今回整理した資料

加えて、掛軸から借金の証文、地形図やはがきなど、資料の種類ごとに分類する必要があるので、それらを整理するだけでも時間がかかります。さらに、資料番号の割り振りや袋詰め・箱詰め、収蔵庫への収納もしなければなりません。一概に整理と言っても、その作業は多岐にわたるのです。

文書を種類ごとに分類している様子

箱詰めする様子

私たちは3名体制で約6時間作業に取り組みましたが、それでも全てを終わらせることはできませんでした。後から資料整理員の方に聞いたのですが、実際の現場ではこれらの作業を一人でこなさなければならない時もあるそうです。資料整理の苦労を改めて感じました。

(令和6年度歴史分野実習生)

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