白いタンポポ

さきほど、博物館おとなりの樹林地を巡視してきました。次々に咲く早春の花を見逃してはいけないので、地面に目を這わせるように探索しながら歩きます。
目立つようで意外と目立たない花がこれです。

タンポポみたいだけど、花弁が真っ白。じつは中国地方以西の方には“ごくふつうのタンポポ”である、シロバナタンポポです。この樹林地ではぽつりぽつりと毎年1~2株が咲きます。どこからか種子が飛んできたのでしょうが、増えることもなければ、絶えることも無く毎年咲いています。関東地方では国内移入種の扱いになりますが、まあ害もなさそうなので静かに見守っています。
満開なのは、オオアラセイトウ(別名ショカッサイ、あるいはハナダイコン)です。こちらも外来種です。

そして、4月に向けてこの樹林地のスターであるフデリンドウは・・まだ時期には早いのですが、つぼみの状況を確認します。
ありました!

まだ小さい!少し日当たりの良い場所では・・

こちらは今月末には咲きそうです。
樹木の方も、だいぶ動きが見えてきました。この樹林の優占種であるミズキは側枝がすでに崩芽して、展葉しかけています。

こちらはサンショウです。花芽も同時に出てきています。

こちらはサクラ。あれ?まだ東京の開花宣言も出ていないのに、葉っぱが!

これはヤマザクラなので、葉が少し先に開きます。
春が加速してきました!
(生物担当学芸員 秋山)

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神奈川県植物誌2018に向けて

今日は神奈川県立生命の星・地球博物館で神奈川県植物誌の執筆者会議が行われました。

神奈川県植物誌とは、県内に生育する植物(維管束植物)をすべて扱い、その分布状況から分類上の位置づけに至るまで記載することを目的とした文献です。地域の植物戸籍簿と言えばよいでしょうか。相模原市立博物館は県北区域の拠点としてこの壮大な活動に参画してます。

神奈川県は伝統的に生物の生息・生育情報がしっかりと記録されてきた地域です。その伝統を引き継ぐ神奈川県植物誌も、1988年版、2001年版と作成され、一貫して標本主義に基づく調査が継続しています。この組織的な調査活動が30年以上にわたって継続しているのは、全国随一といえます。
2018年の刊行を目指して、本格的なデータとりまとめと解析、執筆・編集作業がこれから始まります。
(生物担当学芸員 秋山)

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残念だけど、これも自然

先日からこのブログでもご紹介してきた営巣中のエナガのその後です。
昨日(3月17日)のお昼休みにようすを見にいくと、しんと静まりかえっていてちょっといやな予感がしました。巣のある木を双眼鏡で見ると・・ありません。心の中で「あーあ」と思いながら根元付近を探すと・・

ありました。崩れ落ちたというより、カラスかなにかにつつき落とされた感じです。小さな体の2羽で懸命に作っていた姿を思い出すとやるせないのですが、これも自然です。カラスだって、生きていくために必死です。
卵の殻などは落ちていなかったので、おそらくはまだ抱卵前だったと思いたいところです。エナガの労力を無駄にしないためにも、落ちた巣は資料として保存することにしました。

ブログでもお伝えしたふわふわ素材がいっぱい詰まっています。やはり、テイカカズラの冠毛をたくさん持ち込んでいます。

エナガの巣といえば、鳥の羽根。ちゃんと内装に使われていました。これはキジバトの雨覆羽のようです。

今年の初夏に、羽根にまつわる展示を企画中です。急遽、この巣を展示資料に加えることにしました。使われている羽根について、詳細に調べてみたいと思います。
エナガのつがいが、別の安全な場所で巣作りを再開していることを祈ります。
(生物担当学芸員 秋山)

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木の表情、木の歴史

昨日(3月16日)の植物相調査では、すでに咲き始めたいろいろな花に出会いました。
たとえば、タチツボスミレ。

博物館のまわりに咲くものよりもずいぶんと濃い色をしていますが、同じ種類です。
じつは、花以外にもいろいろなものを見て歩きました。その一つは季節的にもうすぐ見られなくなる冬芽です。
こちらはサンショウです。

なんだか木が自己主張しているかのような表情です。
もう崩芽しはじめていたサルトリイバラです。

子どもが飛び跳ねているような形は崩芽の途中に見られます。
冬芽と葉痕には木が一時見せる表情のようなものがあり、見ていてとても楽しいです。
こちらは冬芽では無く幹そのものの存在感があるクヌギです。

伐採されてひこばえになって伸びた二本の幹が、癒着しています。なぜ癒着したのかはわかりません。癒着部分に大きなこぶがあるので、なにか癒着しなくてはいけない要因があったのでしょう。
そこに、今度は癒着を阻止するかのようにフジのつるがのっかります。
木の歴史を体現していますね。
(生物担当学芸員 秋山)

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早春の山道

今日は相模原植物調査会のみなさんと緑区の山地へ植物相調査に行きました。
すでに咲き始めているアブラチャンに・・

まだつぼみのクロモジ。同じクスノキ科で枝を強くつまむと芳香がします。

ほかにも尾根沿いではダンコウバイが満開でした。
足下ではヒメウズも清楚で可憐な花を咲かせていました。

ありがたくないスギの花も。

ちょっと場所を移動して、この地区にしか見られない花を見に行きました。

あまりにも突飛な分布なので、国内移入種なのかちょっと迷うセリバオウレンです。

どっちにしても、とにかく記録しておくことが大切です。
早春の山はほかにもいろいろと見所があり、楽しい野外調査となりました。
(生物担当学芸員 秋山)

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カイコの成果

今日夕方、大野台中央小学校3年生の先生が博物館を訪れて下さいました。
素敵な贈り物を届けに・・。

昨年、博物館から蚕種を提供し、授業にも行ってカイコの学習をお手伝いしました。1年間の学習の成果の一つとして、メッセージを書いてくれたのです。
先生に伺ったところ、カイコから発展して中庭の環境がどうしたら良くなるかなど、生きものの暮らす場所について考える学習に発展したそうです。
なんとすばらしいこと!メッセージにも、カイコと向き合った日々、命について考えたこと、一所懸命世話をして大きな繭になったことなどしっかり書いてくれてありました。
今年もカイコ、やるぞ-!と決意新たにしました!
(生物担当学芸員 秋山)

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「かんじる学校」を感じました!

今日、3月13日は、(公)相模原市民文化財団との共催事業、「かんじる学校」を実施しました。

【お知らせ】かんじる学校 こどものための音楽ワークショップ へんてこ楽器で星の音をつくろう!



市民文化財団がシリーズで開催している事業「かんじる学校」のうちの1回を、今回は博物館との共催事業として実施したものです。
広報1月15日号に掲載したところ、文化財団に応募や問合わせが次々と入り、結果的に2倍以上の倍率となったとのこと!

博物館に集合していただきましたが、たくさんの楽器や、素敵な先生、スタッフのみなさんの醸し出す雰囲気で、大会議室はいつもとは全然違う様相です!

リズム遊びなどで雰囲気がほぐれたところでプラネタリム鑑賞。
11時からのこどもプラネタリウムをご覧いただきました。

番組紹介


その後、プラネタリウム番組の印象が薄れないうちにイメージ画を思い思いに描いていただきます。
そして、いろいろな楽器(炊飯釜も!)を選んで、星空をイメージした音楽を作り出していきます。

みなさん、あれこれ考えるのも、とっても楽しそう。

グループごとにテーマをみんなで考えたそうですが、さがぽんをイメージした作品を考えてくれたお友だちも!

発表会では、宇宙の映像をバックに、保護者のみなさんや一般の方にオリジナルのメロディーを披露しました。
講師の棚川先生、スタッフのみなさん、文化財団のみなさん、そしてもちろん参加者のみなさん、今日は本当にありがとうございました。
来年度もこのような事業を開催できるかどうかは未定ですが、みなさんに喜んでいただける、しかも、博物館ならではの事業を企画できるといいなと思っています。
(企画情報班 佐々木)

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駐車場の鳥たち

このところ、博物館の駐車場には野鳥がたくさん見られます。
特に目立つのがこの鳥、シメです。

美しい羽色です。頑丈そうな嘴が、種子食であることを物語っています。駐車場の地面に落ちているミズキなどの古い果実を食べているようです。
冬鳥のシメはいま、北帰行の途上に群れで行動しているようです。100羽以上がこの1週間ほど滞在しています。
同じように群で地上採餌しているのはシジュウカラです。

よく見ていたら、駐車スペースに張っているロープの隙間をよくつついていました。何をほじくり出しているのでしょう?

この時期に限りませんが、ムクドリも数羽から10羽くらいで行動しています。

人が近づくと周囲の木の枝に上がって小休止。

樹上といえば、コゲラもせわしなく幹をつついていました。

ほかにもキジバト、ツグミ、スズメ、ハクセキレイ、ハシブトガラスなどが駐車場を利用しています。週末で頻繁に人や車が出入りする場所ですが、その合間にたくさんの鳥たちが動き回っています。こんなところでもバードウォッチングできてしまうんですね。
(生物担当学芸員 秋山)

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若い研究者たち

今日は麻布大学獣医学部で野生動物学研究室(塚田准教授、南准教授)の卒論・修論発表会が行われました。
とても関わりの深い研究室なので知っている学生さんも多く、毎年お邪魔して聴講させてもらっています。

発表会は大学4年間の集大成です。修論生ならさらにその後の2年も加わります。多くがフィールドワークを基本とする研究なので、流した汗の量は膨大なはずです。
それを質疑応答を含めて15分という時間の中に凝縮させるのは並大抵のことではありません。動物標本クラブのメンバーも、晴れの舞台をしっかりとこなしていました。

どの発表も地道な観察、計測、解析の積み重ねによって成り立っています。そして、すんなりうまくいった研究なんていうものはほとんどなくて、予想と異なる結果だったり、トラブルで途中、データが取れなかったり・・。でも、大学の研究の良さは、今年うまくいかなったことを後輩たちへ教訓とともに引き継げることです。

先輩から後輩へ。たくさん失敗して、たくさんディスカッションして、フィールド研究の伝統をつないでいって欲しいです。
卒論生、修論生のみなさん、お疲れ様でした!
(生物担当学芸員 秋山)

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地質調査日誌3/11 相模原市緑区大島神沢

3月11日、金曜日。雨。

今日は午後から少しだけ,相模原市緑区大島神沢へ野外調査に出かけました.
相模川沿いの段丘崖に約300万年前の地層がみられます.
この地層は中津層群と呼ばれています.今日は中津層群の礫岩の採集を行いました.

この場所の礫岩は下にある砂岩の層を削って堆積しています.

近づくとこんな感じです.写っているのはほとんどは礫岩ですが,ハンマーの置いてあるところは砂岩です.

さらに近づくと,貝の化石も含まれていることがわかります.白く見えているのが貝の化石です.写真中央やや左に巻貝の化石が見られます.

午後からは雨が止むのを期待していたのですが,けっきょく止まず。冷たい雨で,かなり冷え込んできたので,1時間半程度の調査で切り上げました.

(地質担当学芸員 河尻)

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