雨に映えるみどり

このところ雨と相性がよくなってしまい、今日の野外調査もばっちり朝から降られました。緑区綱子から、雨具を決め込んで山梨県境の入道丸(714m)へ登ります。

でも、新緑は雨に映えます。すばらしく複雑で、あざやかなみどりです。

その複雑な色合いをかもしだしているのは、こんな色の新緑があるからです。写真はヌルデの芽吹き。

足もとでひっそり咲いていたヒメハギ。微細にして華麗なこの花の美しさには、いつも感心させられます。

いつでも引き返すつもりで登り始めたものの、降ったり止んだりの雨は調査の邪魔にならず、暑くもなく寒くもなく、心地よい山歩きとなりました。途中、スミレの楽園を通過。写真はヒゴスミレです。

下山して少し時間があったので、近くの里山へ立ち寄りました。ゲンゲ(レンゲソウ)もまた、雨に映える花です。

この美しすぎる新緑も、あと半月ほどでしょうか。ゴールデンウィークを過ぎれば、もう初夏。それはそれで楽しみな季節です。

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 雨に映えるみどり はコメントを受け付けていません

困ったトタテグモ

3月6日のブログで紹介したキシノウエトタテグモ。はやく皆さんに「トタテグモ探し」を堪能してもらいたいと、土の入った容器に入れたのですが…

ごらんの通り、一向に住居をつくる気配もなく、土の上でじっとしています。
もしかして至近距離でストロボを光らせたのが影響してはいまいかと、もう1頭採集してきましたが、これも同じ状態。
その辺でとってきた土が気に入らないのかと、採集した場所の土に変えてみましたが、相変わらずじっとしたまま。

そして、新たに土をとって来たときに偶然採集した個体は…

痕跡もありません。
あっという間に土に潜ってしまい(素潜り?)、住居をつくっていません。

唯一、住居ができたのがこれ。

直径1mmほどの超ミニサイズ。
これは3月6日に、偶然混入していた幼体です。
すぐに土に潜って住居をつくってくれたのですが、これじゃちょっと展示には小さすぎます。
相手は生き物、こちらの思ったようにはいかないなあ、と、またしても思い知らされています。(学芸班 木村)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 困ったトタテグモ はコメントを受け付けていません

さがぽんのお友達(4/23)

「ボク、さがぽんのお友達。博物館のお隣に住んでるよ。今日はおひさまがほんわかあったかくて気持ちいいから、外へ出てみようかな。くんくん。」

「よし、出でてみるか。」

「ほんと?ワタシも出てみようかしら。くんくん」

「ほんとに大丈夫?へんなおじさんがカメラ構えてるけど、あやしくない?くんくん。」

「まあいいんじゃない、見かけほど悪い人じゃなさそうだよ。」

「まあいいわ。ほうっておきましょ。さて、これからどこへ行こうかしら。」

という会話が交わされていたかどうかわかりませんが、このあとのんびりとお食事してました。ちなみに、今のところ雌雄もよくわかりません。

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | さがぽんのお友達(4/23) はコメントを受け付けていません

エビネが咲き始めました

博物館の中庭や前庭に、エビネが植えられています。今年は例年より少し早く、花が咲き始めました。

ということは、いくつか市内でチェックしている自生地も気になります。今年も無事に咲いているでしょうか。なにしろ、目立つところに咲くとことごとく盗まれてしまう野生ランです。こんなに綺麗な花をたくさんの人に見て欲しいのに、間違っても場所を公開するなんてことができません。野外でこの花を見ると、いつもジレンマを感じます。

もうひとつ、前庭のアマドコロも咲きました。こちらは最近、まわりに咲くシャガに押され気味で、だんだん株が小さくなってきているのがちょっと気になります。

ほかにもムラサキケマンなどが色をそえて、前庭は花盛りです。

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 今日の博物館 | エビネが咲き始めました はコメントを受け付けていません

花びらがチラリ

朝アップしたフデリンドウの閉じた花の続編です。

正午の時報に合わせたかのように雨が上がったので、お隣の樹林地へ行ってきました。晴れ間がのぞいていればもうちょっといろいろな展開途中のようすが撮れたのかもしれませんが…

花弁が開きかけて、なんだかチラリと見せているような花がいくつもありました。5枚の花弁が合着したラッパ形の花なので、プリーツの入ったスカートを細くきちんとたたんで、さらにぎゅっと絞ったような閉じ方です。晴れれば毎日、朝ひろげて、夕方たたんでと、几帳面な作業をやっているんですね。服のたたみ方がなってないといつも家族に怒られている身としては、尊敬に値します。

ところで、タンポポは綿毛が濡れてみじめな形になっていました。でも、乾けば何事もなかったようにフワフワが復活するのですが…。

雨は、普段見慣れた身近な自然のちょっと違った表情を見られます。傘をさしながらの自然観察が、けっこう好きです。

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 花びらがチラリ はコメントを受け付けていません

冷たい雨の下

今朝(4/21)は、というより昨日の夕方から冷たい雨が降り続いています。

博物館、がんばります!こんなふうに朝から雨模様の日は、博物館日和。ほんわかあったかい館内で、常設展も企画展もプラネタリウムもフルオープン!(あたりまえですが)。足もとにお気を付けてぜひ博物館へいらしてください。

さて、出勤途中にお隣の樹林地をのぞいてみると…。さすがに名前にたがわず、ミズキは雨が似合います。花もチラホラ咲き始め、濃いめの色合いの新緑が艶やかに輝いています。

でも、林床の花はちょっと雨が苦手。カントウタンポポは、寒くて虫も来ないのに花を開いてられないよ!とギュッと花をすぼめています。

フデリンドウも、こちらはきれいにらせん状に花を折りたたんでいます(これ、つぼみじゃありません)。見事な開花のコントロールです。どんなふうに閉じたり展開したりするのか、長時間撮影してみたいな、と思ったりします。

くどいようですが、博物館は通常開館です!こんな日はぜひ、博物館でのんびり楽しいひとときをお過ごしください!

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 冷たい雨の下 はコメントを受け付けていません

新緑も戸惑う相模湖の春

今日(4/19)は、相模湖へ行ってきました。相模原市環境情報センターによる自然環境観察員野鳥部会の相模川における鳥類調査の下見に随行するためです(息継ぎしないと窒息しそうですね)。早い話が、市民参加型調査で行う野鳥調査のロケハンです。昨日までとはうってかわって肌寒い曇り空でしたが、相模湖は新緑まっさかり。いろいろな緑色がモザイク模様をつくっていました。弁天橋付近です。

途中、定点調査を設定するために、本番と同じく30分間、実際に同じ場所に留まって調査を行いました。見晴らしのよい公園で調査していたら、きっとこの公園を根城にしているのであろう野良ネコが近寄ってきました。なかなか目つきのよろしいネコです。

食べ物をなんにもくれないと悟ったのか、やがて一つ伸びをしてにゃあとも言わず、去って行きました。

鳥の方は、まだ4月中旬ということで夏鳥の囀りもほとんどきかれませんでした。でも、フジが満開に近く、ホオノキまで咲き始めていました。足もとではまだニリンソウやイチリンソウが咲いていて、なんだか行きつ戻りつの季節に植物も惑わされているかのような風景でした。

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | 新緑も戸惑う相模湖の春 はコメントを受け付けていません

今年も丸まっています

博物館中庭のコナラが新緑まっさかりです。花穂をつけている木や、瑞々しい若葉が展葉してきている木など、同じ新緑といっても表情はさまざまです。

そんな萌える緑をじっくり見ていると…、今年もありました。葉っぱが3分の2くらい、丸められています。

ヒメクロオトシブミのしわざです。親が近くの葉っぱの裏に静かにとまっていました。

丸めた葉っぱの中には、1ミリにも満たない小さな卵が一つ、入っているはずです。

よく見ると、他の葉っぱには早速穴が空いていて、近くに小さな毛虫もいました。新緑が始まるとともに、動物たちの動きも活発化しています。

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 今日の博物館 | 今年も丸まっています はコメントを受け付けていません

今、市民学芸員が熱い?!

20130417-185835.jpg

この写真、何かの発表会のように見えますが、実は「市民学芸員」の定例ミーティングのひとコマ。
昨年度も「身の回りの気づいた事」を皆で持ち寄る、という事をやり、それが11月の「学びの収穫祭」でのポスター発表に結びついたのですが、今年度はそれをもっと積極的に進めて、毎回のミーティングで必ず誰かが発表しよう、という事になりました。今日の発表者は2人。テーマは「境川の生き物」と「かるた」(ネタバレになるといけないので、詳細は伏せます)。どちらも面白く、次の何かに発展しそうなお話でした。「あまり面白い話をされると次が困る!」という声もありますが「肩の力を抜いて、自分の興味をひいたものを持ち寄ろう」と始まったこの企画、長く続いて、蓄積が出来てくると良いな、と思います。「気になったモノを集める」というのは博物館的だと思いますし、アイデアが飛び交い、活動が形になっていく場に居合わせていると思うと、担当職員の私まで、元気が出てきます。というか、ボランティアの皆さんに、熱意で負けてるのでは、と感じてしまいました。(学芸班 木村)

20130417-190835.jpg
発表の形式は各人自由。ルールは「前に立って話す」事だけ。

20130417-191006.jpg
ミーティング終了後も、集まって意見交換。熱いです。

カテゴリー: 今日の博物館 | 今、市民学芸員が熱い?! はコメントを受け付けていません

フタバアオイ

先日(4/10)調査で訪れた丹沢の登山道に、フタバアオイの群落がありました。

この葉っぱを見てすぐに家紋を思い出す人は、通です。そう、あの決めゼリフとともに目の前に突き出される印籠に描かれた御紋。そのモチーフとなっている植物です。

しかし、あの家紋は三葉葵のはずでは…。

じつは、三葉葵は架空の植物です。二葉葵紋という由緒ある家紋も別にあるようですが、ともかく、葉そのものはどちらもこのフタバアオイを文様化したものだそうです。

フタバアオイは、ギフチョウの食草で知られるカンアオイに近いなかまです。特別珍しいわけではないのですが、なぜか、山中で出会うとちょっと嬉しい植物です。小さな頃からすり込まれた印籠の効果でしょうか。

(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと | フタバアオイ はコメントを受け付けていません