市長が地質企画展を見学されました!

6/3(土)に本村市長が、地質企画展「石のステンドグラス2」の見学のために来館されました。

普段は見ることができない美しい岩石の偏光顕微鏡写真をご覧いただきました。肉眼で見るのとは違った岩石の世界を味わっていただけたようです。

地質企画展「石のステンドグラス2」は6月25日(日)まで開催しています。6月24日(土)14時〜14時30分には展示解説も行いますので、ぜひご来館ください。

また、6月11日(日)には、実際に岩石プレパラートを偏光顕微鏡で観察するイベント「石を顕微鏡で見てみよう」を開催します。時間は10時〜16時です。この時間内であれば会場に出入り自由ですので、こちらもぜひご参加いただければと思います。

(地質担当学芸員)

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カイコ2日目(6月2日)体長は1.7倍に!

6月2日、給桑から2日目です。
カイコの体調は、昨日の3mmから、今朝は5mmに!なんと、24時間で1.7倍の大きさになったことになります。昨日と比べると、色や形もカイコっぽくなっています。驚異の成長量ですね。

大きさは5mmに。形もカイコっぽくなっています

この日は天気予報で大雨となっていたので、前日のうちにクワの葉をとっておきました。その時、先日の生きものミニサロンの際には幼虫だったハラグロオオテントウが成虫になっていました!

ハラグロオオテントウ

こちらは日本最大級のテントウムシで、体長12mm!

日本では最大級のテントウムシです

西日本から徐々に分布を広げ、博物館周辺では4年ほど前から見るようになりました。見ごたえのあるテントウムシであることと、クワの害虫となるクワキジラミを食べてくれるので、ウエルカムな昆虫です。
カイコはあと2日ほど食べ続けると、1回目の眠(脱皮前の休息期間)に入ります。そのころにまた、成長の様子をお伝えします。
(生物担当学芸員)

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カイコ1日目(6月1日) 飼育展示も始まりました!

毎年恒例の、カイコの飼育が今年も始まりました。
茨城県にある大日本蚕糸会蚕糸科学技術研究所から購入した蚕種(さんしゅ=カイコの卵)が5月30日に届きました。

種紙(たねがみ)にうみつけられたカイコの卵

6月1日ころに飼育を開始できるよう調整されているので、5月30日~6月1日にかけてほぼ、ふ化が完了しました。

ふ化したあとの卵は白く見えます

最初にふ化したカイコから餌のクワの葉を与えると成長がばらついてしまうため、だいたい出揃うまで給桑を待ちます。

ふ化直後のカイコ

給桑は、ふ化したカイコの上に葉をのせるだけです。

カイコの上にクワの葉をのせたところ

においを感じたカイコが、自分から葉の方へ寄って来るためです。上の写真はのせた直後で、下はその1分後です。すでにカイコが群がっているのがわかります。

1分後、すでにカイコが寄って来て食べ始めています

大量に飼う場合は、カイコが食いつきやすいように葉を短冊状に切って与えるのですが、ふ化したばかりのカイコは葉の表面から食いつくことができるので、数百匹程度の飼育であれば、葉のままあげても問題ありません。

小さいけどしっかり食べています

給桑開始のことを、養蚕の専門用語で「掃き立て」と言います。これは、ふ化したカイコを飼育容器などへ移す際に、羽ぼうきを使って掃き落とすためです。
そして、飼育展示も開始しました。1階エントランス(休憩コーナー付近)で展示しています。

飼育展示も開始

体長が3mmほどなので、ルーペ越しに見ないとよく見えません。

ルーペ越しに見ることができるようになっています

さらに、博物館から蚕種を提供して学習を始める小学校への出張授業も始まりました。

小学校でカイコの授業

授業では、カイコを飼うということが農業であり、ペットの飼育と違うことをお伝えします。これについてはまた詳しく報告いたします。
これから約1か月、カイコの成長をお伝えしていきます。
(生物担当学芸員)

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都市部のムクドリの子育て

5月下旬、自動車がひっきりなしに通る市内緑区の路上で、ムクドリが飛んだかと思ったら、道路標識の支柱に止まり、バタバタとなにやらやっています。

親鳥の向こうに嘴(くちばし)を開けたヒナが見えます

よく見ると、奥には真っ赤な口を開けたヒナが。ここは、ムクドリの巣でした。
ムクドリはもともと、木の洞(うろ)などに営巣する野鳥ですが、住宅など構造物のすき間にも巣をつくるようになり、里山から市街地まで分布を広げました。
しかし、近年は住宅もすき間の少ない構造になり、かつて住宅での営巣場所として定番だった「雨戸の戸袋(とぶくろ)」も、ムクドリが入る余地のないものに置き換わりつつあります。そこでムクドリは、上の写真のような道路標識や信号機などにすき間を見つけ、そこへ営巣することが多くなっています。

雛は親鳥と変わらない大きさになり、巣立ち間近です

ここの巣は、ヒナは巣立ち間近のようで、ちょくちょく外を覗いていました。
すぐ近くの電柱では、トランス(柱上変圧器)の穴の中へスズメがスポッと入っていきました。スズメはムクドリよりも体が小さいので、小さなすき間で営巣しているようです。

ムクドリの巣のすぐ近くで、トランスの底面の穴へスズメが入っていきました

都市の環境への適応は、ムクドリやスズメだけではなく、猛禽類などでもよく知られています。野山や川だけではなく、都市部でもこんな観察ができるので、野鳥観察は場所を選ばなくて面白いですね。
(生物担当学芸員)

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石のステンドグラス2展示解説5/28

相模原市立博物館では企画展「石のステンドグラス2〜偏光顕微鏡の世界〜」を6月25日まで開催中です。普段見ることができない岩石の偏光顕微鏡の世界を楽しんでいただければと思います。

5月28日(日)には展示解説を行いました。

偏光顕微鏡の仕組みを簡単に説明して、展示写真の中から数枚を選んで解説しました。

写真をステンドグラス風に展示したコーナーは、背後からの光で写真をご覧いただいています。実際に偏光顕微鏡を覗いているイメージで写真を展示しました。

岩石を偏光顕微鏡で観察するためには、岩石のプレパラートをつくる必要があります。岩石を厚さ0.03mm、千円札の3分の1の厚さまで薄くします。岩石プレパラートを製作するための道具や工程写真を展示したコーナーも、皆さんの関心が高いです。

 

展示解説は、6月24日(土)、2時〜2時30分にも開催します。

また、6月11日(日)には、実際に岩石プレパラートを偏光顕微鏡で観察するイベント「石を顕微鏡で見てみよう」を開催します。時間は10時〜4時です。この時間内であれば会場に出入り自由ですので、ぜひご参加ください。

(地質担当学芸員)

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博物館で「野鳥の生態」の実習を行いました

5月27日、青山学院大学の一般教養の講座「野鳥の生態」の実習を当館で行いました。
まず、生物担当の学芸員から博物館における標本の意義や役割、展示への利用などについて講義を行い、その後、博物館で収蔵している鳥類標本(本剥製)を使って実習を行いました。

はく製を囲んで実習

標本はその生物の生活の様子や進化の歴史を記録した、情報の宝庫です。今回は、嘴や足の形から食べもので分類したり、図鑑的な分類を試みたりしながら剥製(はくせい)をじっくり観察しました。

担当講師と一緒に分類を検討

名前を知らない鳥を、野鳥の図鑑を使って調べてみると、ここまでいろいろな角度から剥製を観察したからか、かなり正確に種類を落とし込めていました。

図鑑を使って検索中

実習終了後はみなさん気に入った剥製を写真に撮っていました。仕切りも無く間近で見る機会が少ないため、剥製の迫力にみなさん驚いたようです。

撮影タイム

博物館資料が、保管するだけでなく、活用することでさらに価値が高まることを私たちも実感できました。
(生物担当学芸員)

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相模原のゲンジボタルを堪能

5月26日、毎年恒例となっている神奈川県立上溝南高校のホタル観察会が中央区田名地区で行われ、学芸員がお手伝いに行ってきました。高校から歩いてくる生徒のみなさんを待つ間、田んぼに写った夕焼けがとてもきれいでした。

夕焼けがきれいでした

4月に事前学習会を全1年生向けに行ったこともあり、なんと100名以上が参加してくれました。

ゲンジボタル観察の出発時 写っているのは一部の生徒さんたちです

時期としては少し早めのため、数は少なかったのですが、全員がしっかりゲンジボタルを見ることができました。

ゲンジボタル 観察会終了後に撮影

事前学習で、ここのゲンジボタルは餌となるカワニナも含めて外から持ち込まれていない、正真正銘相模原産のホタルであることを、生物多様性の重要性と合わせて説明しました。ホタルを初めて見る生徒も多く、あちらこちらで歓声が上がっていました。
往復ルートの折り返し点で、スマホの画面をこちらへ向けてもらい、人間のホタルになって記念撮影です。

記念撮影はスマホの光で

ゲンジボタルのすむ水路は、農業用水路です。歩きながら大音響のカエルの合唱を聴きながら歩きました。水田耕作あってのホタルの生息環境を感じ取ってもらえたことと思います。
(生物担当学芸員)

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河原探検!河原の石の観察

5月21日に相模原市の大沢公民館主催事業である親子体験教室「親子全力クラブ」の第2回「河原探検」が開催されました。河原の石の観察や石の重さ当てゲームをしました。河原の石の観察では、地質担当学芸員が講師を務めました。

集合場所で全体の流れなどを説明しました。

活動場所に向けて出発!

最初に相模川の河原の石がどこから運搬されてきたのかを説明した後、代表的な石の見分け方などを説明しました。相模川の河原の石は、富士山、関東山地、丹沢山地から流されてきたもので、多くの場合、石を見ればどこから来たかわかります。

相模川の河原について説明。

説明の後は参加者に自由に観察していただきました。親子で対話しながら、熱心に石を探して観察していました。

面白い石、見つけた!

この石は何かな?

質問も多く、みなさん熱心に観察していました。

河原の石の観察の後は、石の重さ当てゲームです。750gと1kgだと思う石を拾ってきて、実際に重さを測ってどれだけ750gと1kgに近いかを競います。

持っただけで石の重さの見当をつけるのは至難の業です。

このゲームはかなり難しく、それぞれの重さにつき、一人3回まで挑戦できるのですが、ドンピシャの重さの石を拾った参加者はいませんでした。ピタリ賞はいなかったので、一番近い重さの石を拾ってきた家族が優勝となりました。大沢公民館の方が750gちょうどの石を拾いましたが、スタッフなので審査の対象外で、ピタリ賞はもらえませんでした。

楽しみながら観察やゲームをして、石とたっぷり触れ合った半日でした。参加者の皆さんは、石に対する見方が変わり、石に興味を持っていただけたようです。

(地質担当学芸員)

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学芸員の技術を学ぶ

5月20日、青山学院大学相模原キャンパスの学生さんたちが、当館で実習を行いました。これは学芸員コース(学芸員資格を取得するためのカリキュラム)の一環で、博物館で日常的に行われている作業の一端を学ぶためのものです。今回は、掛軸(かけじく)の扱い方と資料の梱包(こんぽう)を実際に体験してもらいました。
掛軸の扱いは、本物の掛軸を桐箱から出して、矢筈(やはず)という道具を使って壁にかけ、それをまた外して巻き取ります。

学芸員が見本を見せます

歴史担当の学芸員から指導を受けますが、掛軸は本物(登録資料ではありませんが、肉筆の日本画が軸装されたもの)です。緊張の面持ちで扱っています。

ちょっと緊張しています

特に巻き取る際、軸が片側に寄って、いわゆる“たけのこ巻き”になってしまうこともしばしばです。

巻き取りが一番難しい

悪戦苦闘しながらも、みなさん丁寧に扱ってくれました。
資料の梱包では、資料を梱包して箱に収めるところまでやってもらいました。枕と呼ばれるクッション材を資料に巻き、箱の中で遊びがないように固定します。

二人一組の作業です

他にも、時間の関係で見てもらうだけでしたが、鳥のはく製のようにクッションを巻けないものの梱包の方法や、展示の際に資料を固定する方法を紹介しました。

資料の固定の方法や道具もいろいろ

終了後、オプションで希望者に収蔵庫の見学を用意していたのですが、全員が参加してくれました。博物館の専門業務の一端を学んだ学生のみなさんは、学芸員課程の最後に実施する「博物館実習」に向けた準備と心構えができたのではないかと思います。
(生物担当学芸員)

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勝坂遺跡で講演会を行いました。

5月14日、相模原市南区磯部にある勝坂遺跡で講演をしてきました。これは市文化財保護課の事業で遺跡講演会の講師として依頼があったものです。

内容は、前半に勝坂遺跡の座学、後半は勝坂遺跡公園管理棟に展示中の土器、石器の解説をし、さらに屋外に復元されている敷石住居や竪穴住居を紹介しました。

縄文時代中期の環状集落を説明 勝坂遺跡も環状集落です

講演では、大正15年の大山柏博士による発掘調査や、1970年代の遺跡周辺の開発と史跡指定、2000年代の遺跡公園としての整備など、今まであった勝坂遺跡の調査史を振り返り、縄文時代中期の集落が今日まで良好に保存されていることを紹介しました。

続いて、展示中の土器・石器の解説です。すべて勝坂遺跡から出土したもので、土器の古さや文様の特徴、石器の用途など、道具から分かる縄文人の生活をお話ししました。

縄文土器を解説中

史跡勝坂遺跡公園での講演会なので、外にある敷石住居(しきいしじゅうきょ)、竪穴住居(たてあなじゅうきょ)についても解説しました。雨が降りそうでしたが、雨が降る前に解説を終えることができました。

敷石住居を説明中。上屋(うわや)は復元されていません。

復元された竪穴住居の説明

これらの3軒の住居は実際に発掘調査を行い、柱穴や住居の床面など、住居復元のための情報を集めたものです。また復元する位置も実際に住居があった位置に合わせています。

史跡勝坂遺跡は相模原市を代表する史跡であり、その重要性を継続して伝えていくことが重要と考えます。勝坂遺跡で伝えるべき重要なことは多くあり、機会を捉え、より面白く、より分かりやすく発信していきたく思います。
(考古担当学芸員)

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