木の表情、木の歴史

昨日(3月16日)の植物相調査では、すでに咲き始めたいろいろな花に出会いました。
たとえば、タチツボスミレ。

博物館のまわりに咲くものよりもずいぶんと濃い色をしていますが、同じ種類です。
じつは、花以外にもいろいろなものを見て歩きました。その一つは季節的にもうすぐ見られなくなる冬芽です。
こちらはサンショウです。

なんだか木が自己主張しているかのような表情です。
もう崩芽しはじめていたサルトリイバラです。

子どもが飛び跳ねているような形は崩芽の途中に見られます。
冬芽と葉痕には木が一時見せる表情のようなものがあり、見ていてとても楽しいです。
こちらは冬芽では無く幹そのものの存在感があるクヌギです。

伐採されてひこばえになって伸びた二本の幹が、癒着しています。なぜ癒着したのかはわかりません。癒着部分に大きなこぶがあるので、なにか癒着しなくてはいけない要因があったのでしょう。
そこに、今度は癒着を阻止するかのようにフジのつるがのっかります。
木の歴史を体現していますね。
(生物担当学芸員 秋山)

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