冬の木の実の中身

今、博物館の庭ではいろいろな果実が実っています。真冬に実る、あるいは真冬まで鳥に食べられずに残るヤブラン、マンリョウ、ヤブコウジ、ノイバラなど…。
ヤブランはジューシーな見た目でいかにも美味しそう。でも、あまり鳥たちは食べません。年によってほかの果実が少なかったりすると、ヒヨドリなどが一心不乱に食べたりします。

こちらはマンリョウ。これも、年によって食べられたり、放置されたり。

こんなに目立つし美味しそうなのに、なぜ真冬まで残るのかと思って中身を見てみると…。

 左)ヤブラン、右)マンリョウ

あらあら、果肉と言えるものはほとんどなく、果実とほとんど同じ大きさの種子が1つ。

これじゃあ鳥たちもすすんで食べませんね。食糧難になってからしかたなく食べるのかな。
真冬は食べ物に苦労する鳥たちの足もとを見ているのか、見た目に反して糖分も果肉もほとんどない“期待外れ”の果実。生きものたちの思惑、戦略が垣間見えて楽しいですね。
(生物担当学芸員 秋山)

カテゴリー: 学芸員のひとりごと パーマリンク